3時間の眠りでも大丈夫という「濃縮睡眠」――カギは血流! 脳疲労の改善方法

ドクター新潮 健康 その他

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ネガティブな意識を消す

 脳疲労がたまることでも交感神経が活発化し、細胞内に活性酸素が発生して疲労の原因になります。私のサロンでは脳のデトックス、頭蓋のマッサージを通じて、脳疲労を解消しています。

 サロンではまた、悩んでいることを自宅で毎日書き出し、それをポジティブな言葉に変換してもらっています。不安や怒り、悲しみなどネガティブな感情を抱えていると、交感神経が優位な緊張状態が続いて睡眠が浅くなりがちです。特に責任の重いポジションにいる方は、常に仕事のことを考える結果、不安感を抱きやすいのです。

 そこでネガティブな感情を緩和するために、たとえば「会社の成績が上がらない」と書いてから、その上に「大丈夫」などと、ポジティブな言葉をかぶせ、ネガティブな意識を消す。不安な項目が減った人は、睡眠の質も上がっていることが多いです。

 ほかに、周波数528ヘルツの音楽をかけたり、ラベンダーなど鎮静作用のあるアロマオイルを使ったりすることでも、副交感神経が優位になって睡眠の導入が良くなります。アロマオイルはわざわざ器具を買わなくても、ティッシュに含ませて枕元に置いたり、マグカップに2、3滴たらしてお湯を注いだりするだけでも大丈夫です。

就寝30分前は「パソコン」「スマホ」厳禁

 寝る前に行ってはいけないこともあります。その代表がパソコンやスマートフォン。紫外線と波長が近いブルーライトが目やからだにダメージを及ぼすといいます。また、目がブルーライトを昼間の光と認識するので、寝る直前に見ると脳が覚醒してしまいます。就寝2時間前、最低でも30分前にはPCやスマホの使用をやめましょう。

 寝る前のお酒も睡眠に悪影響を及ぼします。アルコールの作用で一時的に脳が麻痺して眠りやすくなりますが、それは就寝後に解けるので、むしろ脳が覚醒してしまうのです。そのうえアルコールを分解するために、就寝後も肝臓が活発に活動するので、結果的に睡眠は浅くなります。お酒を飲むときは同量の水を飲み、起きているうちにアルコールを分解すること。お酒を飲んだあとでハーブティを飲んでも、胃腸を整えることができます。

 睡眠と栄養の関係についても述べておきます。糖質を摂りすぎると、日中に眠くなりやすいことがわかっています。体内の糖質の分解に酵素が使われ、酵素不足になると脳や身体に負担がかかります。夕食の白いご飯のお代わりをやめたら、翌朝すっきりと目覚めるようになった、という声も寄せられています。

 筋肉量が多い人は、新陳代謝が活発で血流が良いことが多いため、質の高い睡眠をとりやすいといわれます。このためストレッチと別に、主に下半身の筋肉をつける運動も重要です。特にふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、血を送り出すポンプのような役割を果たしています。以前、円形脱毛症の方のケアに携わった際、自転車やジョギングなど、下半身を使う運動を取り入れて自律神経が安定し、脱毛症状が改善したことがありました。

 私は1日30分ほどのウォーキング、朝晩6回ずつのスクワットなどを日常生活に取り入れることを勧めています。

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