大杉漣さん、亡くなる前の腹痛は「放散痛」? 歯や顎、肩などに痛みが生じることも

芸能2018年2月23日掲載

  • 共有
  • ブックマーク

 21日、急性心不全のため亡くなった俳優の大杉漣さん。突然の別れに悲しみの声が相次いでいる。
 大杉さんは、出演中のドラマ「バイプレイヤーズ」の収録後、共演者と食事に行き、ホテルの自室に戻った後で腹痛を襲われたという。その後、タクシーで救急病院に搬送され、「急性心不全」のため病院で亡くなった。

 大杉さんがなぜ急性心不全になってしまったのか、今の時点では分からないが、その痛む場所から、遠く離れた臓器が病の場合があると指摘するのは、東京医科歯科大学・難治疾患研究所の古川哲史教授だ。(『血圧と心臓が気になる人のための本』(古川哲史・著)より抜粋、引用)

「歯が痛いので歯医者さんにかかったり、左肩が痛くて筋肉痛だと思って湿布を貼ったりして発見が遅れることもあります。また、みぞおちが痛くて消化器内科にかかり、胃カメラの検査を行ったなんてケースも」あるのが、実は心筋梗塞、心臓が原因だったというから驚きだ。

「原因の臓器から離れたところに感じる痛みを『放散痛』といいます。発見が遅れることから、心筋梗塞で怖いのは実はこの放散痛なのです。特に多いのは次の3カ所」として、

1 歯、顎
2 左肩
3 みぞおち

 を、古川教授は挙げている。発見が遅れるのはもちろん、胃カメラの検査を受ける場合に使われる、胃の収縮を抑える薬が心筋梗塞では使用が禁止されていたりと、深刻な事態を招きかねないのだ。

 他にも背中の痛みや頭痛が、狭心症や心筋梗塞の放散痛として起こることが知られており、この心筋梗塞による放散痛は、特に女性において一定の割合でみられるのだそう。これは男女の血管のつくりの違いから来るものだと見られている。もちろん胸が痛い場合も心筋梗塞を疑うべきなのは言うまでもない。

「医学生向けのテキストでは、心筋梗塞の痛みは『心臓をわしづかみにされたような痛み』『左胸をゾウに踏みつけられたような痛み』などと表現されています。心臓をわしづかみされた経験がある人もいないでしょうし、ましてや左胸をゾウに踏みつけられた人がいるとは思えないので、どうしてこのような表現を使うのか不思議です。しかし、いいたいのは『左胸の尋常じゃない痛み』であるという雰囲気はヒシヒシと伝わってきます。男の人の心筋梗塞は、テキストに書かれているような典型的な左胸の尋常じゃない痛みで発症することが一般的です」

 古川教授は、他にも普通と違う頭痛が起きたらすぐに医者に相談してほしいと言う。

デイリー新潮編集部