闇に葬られた「新生児取り違え事件」 厚労省をダシにした「順天堂大学」隠ぺいの証拠

社会週刊新潮 2018年4月26日号掲載

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 取り違え被害者の痛切な訴えを無視し、ダンマリを決め込む順天堂。多少綻んでも隠ぺいを貫くつもりか。だが、姑息で不誠実すぎる「ウソ」が明らかになった。「厚労省に報告する」ことをダシに被害者を丸め込み、その実、なんら報告していなかったのである。

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 学校法人順天堂のホームページには、その校名についてこう書かれている。

〈中国の古典「易経」にある「順天応人」(天の意志に順い、人々の期待に応える)と、孟子の言葉の「順天者存 逆天者亡」(自然の摂理に順うものは存続して栄え、天の理法に逆らうものは亡びる)に由来します〉

 つまりは順天堂は腹を決めたということか。本誌(「週刊新潮」)が2週にわたって報じた小林義之さん(51)=仮名=の新生児取り違え事件に関し、こうも堂々と〈天の理法に逆らう〉姿勢を見せられると、もはや〈亡びる〉覚悟を決めたとでも考えないかぎり、説明がつかない。

 1967年1月半ば生まれの小林さんが、取り違えの事実を突きつけられたのは、2015年の年末だった。母親から「血がつながっていない可能性」を告げられ、DNA鑑定の結果は親子の確率「0%」。翌年1月、小林さんは自分が生まれた順天堂大学医学部附属順天堂医院に出向いて事実を伝え、3月から話し合いが始まったという。

 ところが、順天堂は「どうやら事実」と認めながらも、「取り違えの相手方の平穏な暮らしを壊してはいけない」と強弁し、「本当の親に会いたい」という小林さんの切なる願いを退け、端から金銭での解決を提案してきた。16年末、不本意ながら話はまとまりかけたが、明けて17年、順天堂側の弁護士が代わって積み上げた話も反故にされ、疲弊した小林さんは押し切られてサインしたというのだ。

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