闇に葬られた「新生児取り違え事件」 厚労省をダシにした「順天堂大学」隠ぺいの証拠

社会週刊新潮 2018年4月26日号掲載

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「隠ぺいでもなんでもない」

 同じ日、同じ医師は小林さんにこうも話している。

「私たちはやることはちゃんとやったんだし、隠ぺいでもなんでもないと。ちゃんと国の機関にも報告していると、っていうことがあるので、あとでマスコミがどんなに来たって、私たちはやることはちゃんとやったという、ひとつの保証として厚労省を挙げているんです。ですので、それは報告します」

 本当の親にどうしても会いたいと訴え、事実の“隠ぺい”に反対し続ける小林さんを説き伏せる材料として、順天堂は厚労省への報告を、いわば錦の御旗として掲げたのである。

 数カ月が経過し、12月9日の話し合いでも、同じ医師がこう語っている。

「“採血を始めなさい”と。で、その採血の結果が実際に動くゴーサインになりますので“それをしなさい”と。それから、採血の結果が出たら、いただいたあれ通りに出ると思う、出るんですけど、“その結果が出た時点で厚労省と東京都にはちゃんと報告しなさい”と。ということですね」

 もう一方の相手に取り違えの事実を伝えることを拒み、金銭での解決を狙う順天堂は、和解の条件のひとつとしてDNA検査のための採血を求めた。そして検査結果が出たら厚労省にも東京都にも報告すると、小林さんに明言したわけだ。

 ところが、先述のように、順天堂から厚労省への報告が今月11日にあったとは、どういうことか。

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