止めて「動脈硬化」改善例も 糖質制限の「がん」「認知症」リスク

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「糖質制限」を止めて改善

 心筋梗塞、脳梗塞などの予防に詳しい「真島消化器クリニック」の真島康雄院長は、糖質制限を続けた結果、脳梗塞になった患者を何人も診ている。例えばAさん(48)は、2016年に脳梗塞になり、真島院長の食事指導を受けることになった。

「08年に健康診断で糖尿病と言われたのをきっかけに糖質制限を始めたところ、半年で10キロも体重が落ちました。最初の5年間はかなり徹底して糖質を制限して体重をキープし、その後の3年間も昼食にたまにパンやごはんを食べる程度。そんな生活をしていたある日の朝、目が覚めると左脇の辺りと左の掌がしびれていたのです」(Aさん)

 何とか自力で病院に駆け込み、検査を受けた結果、脳梗塞と診断された。

「そこから2週間の入院となりましたが、不幸中の幸いは、感覚障害が残っただけで済んだことです。退院後、真島先生の診察を受けた際、総頸動脈の血管プラークの厚さは1・38ミリもあった。が、糖質制限を止め、1年ほど後に受けた検査では、プラークの厚みは半分ほどになっていました」

 真島院長の元を訪れた別の患者も、糖質制限を止めたところ、血管プラークが少なくなり、不整脈を起こさなくなったという。こうした「実例」が示すのは、早めに過ちに気付けば脳梗塞や動脈硬化といった最悪の結果を回避できるかもしれない、ということである。

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