カタログ廃棄処分だけじゃない! 中国で大人気「無印良品」を悩ます受難の歴史

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国営放送でデマ

「そして昨年3月15日には、中国国営中央テレビ(CCTV)が放送した、無印良品は放射能汚染地域で作られているという番組です。中国は東日本大震災以降、いまだに日本の放射能汚染地域として10都県(福島県、栃木県、群馬県、茨城県、千葉県、宮城県、新潟県、長野県、埼玉県、東京都)を指定し、ここで生産れた商品を輸入禁止にしています。CCTVは無印良品やカルビーなどの日本企業を取り上げ、放射能で汚染されているとばかりに批判したのです。無印良品でやり玉に挙げられたのは『ノンカフェイン はと麦&レモングラス』というお茶と『優しい昔菓子 大粒卵ボーロ』。これらを店舗に訪れたレポーターが手に取り、中国語表記のシールを剥がすと東京の住所が書かれている、というのです。当然、無印良品のネットは炎上です。しかし、これにも同社は冷静な対応をします。放送翌日には中国版Twitter『微博』に“記載されているのは本社の住所です”とし、もちろん輸入禁止地域で生産されたものではないこと、原産地証明も当局に出していると声明を発表。当局も検査済みであることを認め、微博には1万件以上のコメントがつき、“MUJIを支持する”といったコメントが溢れたんです。ダンマリを続けるでもなく、感情的にもならず、言うべきことは正規のルートで言うという姿勢が貫かれているように思います」(同・経済誌記者)

 そこまでしないと、かの国では認めてもらえない、というのも難儀な話である。やはり中国相手のビジネスは大変!

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週刊新潮WEB取材班

2018年2月6日掲載

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