【追悼】西部邁氏 舌鋒鋭く“ポピュリズム批判”を行った名コラムを再掲載

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ポピュリズム批判の鋭さ

 こうした経歴などもあり、「週刊新潮」との関係は良好だった。氏の持つ懐の深い人柄も加わって、数々のコメントや原稿の求めに応じて下さった。

 特に2011年には、橋下徹氏(48)が大阪都構想を実現するとして大阪府知事を辞任。大阪市長選に勝利すると、12年9月には日本維新の会代表に就任して政局が先鋭化する。橋下氏が首相に就任するという予測に高い信憑性があった時期、週刊新潮は「橋下徹は日本の救世主か」(12年9月27日号)と題した特集を組んだ。

 各界の識者が「橋下徹論」を繰り広げるという内容。「橋下氏の政治手法はポピュリズム=衆愚政治か否か」という問題に高い関心が集まっていた。なれば西部氏が発言しないはずはないし、適任者である西部氏に寄稿していただいた。

 常に「高度大衆社会批判」を行ってきた氏には、まさに自家薬籠中のテーマであり、“西部イズム”のエッセンスが詰まった力作となっている。今回は、そのコラム全文を引用しよう。タイトルは「『デマ』ゴギーが動かす『デモ』クラシー」というものだ。

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