「國學院」が5秒に泣いた「ダブル転倒」事件の後日談 監督ら明かす

スポーツ 週刊新潮 2018年1月18日号掲載

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 どうしても連覇達成の大学が脚光を浴びてしまうのが、箱根駅伝の常である。ところが、前代未聞、次走者を巻き込みダブルで転倒者を出してしまった國學院大は、その一瞬だけ全国の衆目を集めてしまった。今だから話せる、中継には映らなかった後日談――。

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 今年で94回を迎えた大会の歴史でも、同じ大学の走者が揃ってタスキを渡すタイミングで転倒するのは異例だという。海沿いを走る往路4区から、5区の山登りへとタスキをつなぐ小田原中継所で、“事件”は起きた。

 國學院大學陸上競技部の前田康弘監督(39)によれば、

「この中継所は、他とは違い国道を急カーブしていきなりタスキを受け渡す。見通しが悪いので、お互いが姿を確認してから準備する時間がなく、アクシデントが起きやすい。復路も含め一番の難所でした」

 4区の走者で2年生の土方英和(20)が振り返る。

「2人とも同じところに足を踏み出してしまい、からまってコケたのだと思います。全身を打ちつけ痛かったのですが、すぐに立ち上がって走り出した先輩にはしっかりゴールして欲しい、それだけを願っていました」

 その土方から、9位でタスキを渡された4年生・河野(かわの)敢太(22)は、脳震盪のような状態で、暫く記憶を失っていたとしてこう話す。

「転んで頭を打ったので、最初の500メートルは視界が歪みグラグラする感覚で、真っ直ぐ走っているのかも分からない。1キロくらいから正気に戻りましたが、目の前はずっと登り坂でしたから精神的にキツかったです」

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