ジェンキンスさんが生前、週刊新潮に語った「安倍首相への“遺言”」

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汚水で炊く虫だらけの米

 佐渡での穏やかな生活には、満足していると記者に語った。

「お土産コーナーの仕事のおかげで、北朝鮮にいた頃の3年分の給料をひと月で稼ぐことができ、有難く思っています。あちらでは平壌の大学で英語の教師をしていて、月給はたったの120ドルしか貰えなかった。今回、妻は帰国から10年を迎えましたが、私はまだ8年。『感慨』と言われても答えにくいのですが、暮らしにはとても満足しています」

 実はジェンキンスさん、オートバイ愛好家としての顔も持つ。北朝鮮では、試験をパスしても免許は交付してもらえなかったという。

「東京の自動車学校の合宿に参加して、06年に中型二輪免許を取りました。その後すぐホンダの250㏄を買って、今も乗っています。走るのは夜が多い。シールドの部分が邪魔で、ヘルメットは好きではないのですが……」

 次に北朝鮮の暮らしに話題が及ぶと、「本当に酷かった」と振り返る。

「北朝鮮での生活は、今となっては思い出したくもないほど酷いものでした。何しろ、水道の蛇口をひねると灰色の水が出るのです。『しばらく流しっ放しにしておけば元に戻るだろう』と思っても、ずっと濁ったままなのです。お米自体も何年も前に収穫されたもので、研ぐと次から次へと虫が浮かんできます。炊き上がったご飯は不味くて、とても食べられたものではありません」

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