王者「井上尚弥」いよいよ米デビュー 現地でも期待

スポーツ

  • ブックマーク

Advertisement

“怪物”ことWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(24)が9月9日、6度目の防衛戦をアメリカで行う。待望の全米デビューである。

「日本人がアメリカのリングに上がることは過去にも少なからずありました。ほとんどはこちらから頭を下げてマッチメイクしてもらってますが、今回はあちらのプロモーターに請われて実現した。これまでとは根本的に違う“米国上陸”です」

 とボクシングライターが興奮気味に語る。

 この日は、井上も含めて“スーパーフライ世界5傑”が一堂に会して試合を行う。メインイベントは、3月に“疑惑の判定”でプロ初黒星を喫した“軽量級最強の男”、ローマン・ゴンサレス(30)のリベンジマッチで、世界のボクシングファンにとって今年最大級の関心事なのだとか。井上の防衛戦はその前座で、併せて全米に生中継されるというから期待の高さがうかがえる。

「アメリカはボクシングの本場とはいえ、アメリカンドリームの体現の場で人気の的となっていたのは専ら重量級でした。十数年前、パッキャオというカリスマボクサーが現れたことで、人気の裾野が中量級に広がりましたが、今回の“9・9”はそれを更に軽量級まで広げようという試みです」

 例えて言うと、重量級は“夢の大都市”で、中量級は“夢の新興住宅地”。そして、人里離れた軽量級の地は今、“ロマゴン”が地ならしした幹線道路を足掛かりに、いよいよ大規模開発が着工されるというわけ。

「今回の相手なら尚弥は一方的にKO勝ちするでしょう。日本では“強すぎて面白くない”“相手が弱すぎた”などと言われますが、アメリカでは圧倒的な強さこそが賞賛される。千数百万円の尚弥のファイトマネーは、今回、約5000万円に跳ね上がったと言われています。ゆくゆくはパッキャオのように一戦で数億円、数十億円を稼ぐボクサーになってほしいですね」

 “怪物”が“モンスター”になる日は近い。

週刊新潮 2017年6月29日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。