200m平泳ぎで世界新 渡辺一平のスマホの中身

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世界新記録を樹立した渡辺選手のスマホの中身とは…(写真はイメージ)

 観客もまばらな昼下がりの東京辰巳国際水泳場で、その偉業は成し遂げられた。

 1月29日に行われた東京都選手権。男子200メートル平泳ぎ決勝で、リオ五輪代表で早大2年の渡辺一平選手(19)が、2分6秒67の世界新記録を樹立したのである。

 スポーツ紙記者の話。

「渡辺選手はリオ五輪では準決勝をトップタイムで通過したのに、決勝は6位と惨敗。ただ、準決勝では五輪新記録をマークしていて、それが優勝タイムよりも速く、ついた渾名が“幻の金メダリスト”。もちろん次の東京五輪では主役になる逸材だと思っていましたが、短期間でここまでの急成長を見せるとは、完全に予想外でしたね」

 しかも大会当日は本人曰く風邪気味で、コンディションはリオ五輪の際の60%だったというから、その伸び代は計り知れない。

 類まれな強さを支えているのが、フードファイターにも引けを取らない旺盛な食欲である。

 寮で寝食を共にする早大水泳部の後輩が言う。

「先輩はハンパなく食べますよ。寮の近所に“ほっともっと”があるのですが、そこで唐揚げやチキン南蛮といった惣菜だけ買ってくる。それをおかずにして、自分の炊飯器で4合ほどご飯を炊き、1人でペロリと平らげるんですから」

 先輩部員が後を受ける。

「強さの秘密はそれだけではありません。圧倒的な練習量はもちろんですが、一平はとにかく研究熱心。練習の合間や、食事中、さらに寮の部屋でもスマホを片時も離さず、画面を真剣な表情で見つめているんです」

 何を見ているかというと、

「過去に自分が出場した試合の動画を全てスマホに入れてるんです。それらを何度も確認しているんですよ。フォームの徹底的なチェックと、練習や次の大会へのモチベーション維持のためなんだそうですが、そこまで熱心に見る選手は他にいません」(同)

 3年後、渾名から“幻”の文字は消えるはずだ。

週刊新潮 2017年2月9日号掲載

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