〈生前退位 私の考え〉陛下まさに「鎮魂のとき」――山折哲雄(宗教学者)

社会週刊新潮 2016年7月28日号掲載

 天皇が「生前退位」のご意思をかためられたことを知り、あらためてその嘆きの深さと熟慮の長さを思わないわけにはいかなかった。戦後70年、そして即位後27年を経た今日、移り行く時代の転変の中で、天皇が国民統合の「象徴」たる地位をいかに安定的なものにするかに心を砕かれたか、そのことを国民の多くは知っている。

 災害地への度重なる慰問、沖縄をはじめとする激戦地への慰霊と鎮魂の旅、恵まれない人々に対する心遣いの数々、その努力の積み重ねはけっして尋常なものではなかった。

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