離脱派に利用された? エリザベス女王の本音は… 英国EU離脱20の疑問(3)

国際週刊新潮 2016年7月7日号掲載

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エリザベス女王

 英国が欧州(連合)の一部であるべき理由を3つ挙げてください――。

 期末試験の設問であれば、イギリスの学生たちが頭を悩ませただけで済んだかもしれない。

 だが、国民投票の直前、保守系新聞「テレグラフ」や大衆紙「サン」といったEUに懐疑的なメディアが、これをエリザベス女王の言葉として報じたことで騒動が持ち上がった。すなわち、我が女王陛下は英国のEU残留に疑義をお持ちである、というワケだ。

「イギリスは王室の支持率が7割を超えるお国柄です。判断に迷った熱心なロイヤリストが、この報道で離脱に投票した可能性は高い」(在英ジャーナリスト)

 少なくとも、鶴ならぬクイーンのひと声が、真っ二つに割れたイギリス世論に影響を及ぼしたことは間違いない。しかし、

「英王室は、発言自体は認めながら、会食の席での“ただの質問”と説明しました。実際、離脱派メディアに利用されただけで女王の本音ではないと思います」

 とは、ロンドン特派員である。

「スコットランドの独立を巡る2014年の住民投票で女王は、“人々が注意深く考えることを望む”と述べて独立派を牽制しました。スコットランドに再び独立の機運が高まることを承知で、女王が離脱を支持するとは考えられない。また、ウィリアム王子も今年2月に“他国との団結が不可欠”と、残留支持をアピールしていますからね」(同)

 64年以上に亘って王位を守り続けた女王陛下にとって、Remain(存続)こそが何より重要なのだ。

「特集 ヘイトと衆愚が理性にまさった? 地球的大混乱で誰が笑うか? まさかの英国『EU離脱』20の疑問」より