海外“御用記者”が幅をきかす「中国政府」会見

中国週刊新潮 2016年3月31日号掲載

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 北京は人民大会堂の巨大な会見場に、世界中から800人以上の報道陣が集まったというから大ごとだ。

 16日に閉会した中国の全国人民代表大会。日本の国会に相当するこの年に一度の大イベント後、李克強首相が行った会見は2時間以上。習近平国家主席への権力集中でお茶を挽いていると言われていた李首相は、

「年に一度の晴れ舞台に、嬉々としていましたね。中国政府の会見は政治ショーそのものですから」

 とは、東京福祉大学国際交流センター長の遠藤誉氏。

 中国の会見で「やらせ」は常識だ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙も最近、海外メディアの体ながら、その実、同国の国際放送局・中国国際放送の傘下にある「エセ海外メディア」が存在し、“御用記者”が幅をきかせる様子を揶揄していた。

「事前審査した質問だけ受けるのが中国です」

 と、先の遠藤氏が言えば、産経新聞中国総局特派員の矢板明夫氏も口を揃える。

「北京に赴任してもう10年目、会見で100回以上、質問しようと手を挙げましたが当てられたことがない」

 日本のメディアではこれまでNHKと朝日新聞が質問を“許可”されているが、一般に、質問できるメディアには会見の3週間ほど前に担当者から“お声”がかかるそうな。その上で質問を提出、チェックを受け、当日は早めに会場入りして打ち合わせる。座席も指定だ。

「順番になると司会者から“前から何番目の席のメガネの男性”などと指名されるのですが、今年は面白いことがありましたよ。暑くて上着を脱いでしまい、白いワイシャツ姿だった記者が“黒いジャケットの方”と指名され、質問に立ったのです。会場はざわついていましたね」(同)

 しょせんは茶番、と茶化されても仕方がない。