中国の覇権主義が招く最悪の結末は米中開戦だ! 米著名作家が警告

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 11月23日、中国中央テレビは「中国国防省は今日、東シナ海防空識別圏を設定した」と報じました。ご存知のように、この一方的な設定には日本の領土である尖閣諸島も含まれています。中国は最近、東シナ海、南シナ海での軍の動きを活発化させています。

 このような中国軍の活動を1年前に刊行されたアメリカの小説がほぼ完璧に予言していました。しかも、その小説が予言したのは、それだけではありません。

 今年2月、米セキュリティ会社Mandiantは、米国企業および政府組織を狙ったサイバー攻撃に上海に本部を置く中国人民解放軍・第61398部隊が関与していると発表しています。

 さらに、つい最近、米海軍のイージス艦「カウペンス」が南シナ海の公海を航行中に中国の軍艦と異状に接近し、衝突を避けるため緊急回避行動を取った、というニュースはまだ記憶に新しいでしょう。

 これら様々な中国軍の動きを予言した小説――それがトム・クランシー/マーク・グリーニー著『米中開戦(1~4)』(原題:THREAT VECTOR)です。

 サイバー攻撃や中国軍による挑発、それに伴う米中間の緊張の高まり。著者が緻密にシミュレートしたことが、実世界でその通りに展開されていく。なんだか恐ろしい気もします。

 しかし、クランシー・ファンなら不思議には思わないでしょう。なぜならクランシーの場合、小説を創り出そうと思い立つとまず、いまいちばん関心があること――いま世界でいちばん危ういと自分が思っていること――に関する「事実」(情報)を徹底的に集めます。その大半は公開情報から得られるものですが、彼ほどの巨匠になると軍や政府機関内に協力者がいて、そうした人々からの“秘密情報”も入ってきます。つまり彼の小説作法は優れた情報分析の方法と同じなのです。出発点は、何ものにも汚されない素の事実だけ。しかも、自分があらかじめ勝手に思い描いたストーリーにその事実を強引に組みこもうとしません。膨大な量の事実が最も自然な形でつながるように各ピースをならべ、そこから浮かび上がるパターンを読みとろうとします。したがって、導き出される結論(ストーリー)はきわめてリアルなものになるのです。

 残念ながら彼は10月1日、ボルティモアのジョンズ・ホプキンス大学病院で亡くなりました。享年66歳。彼が生きていれば、次のシミュレーションはどんなものだったのでしょう。

デイリー新潮編集部

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