膝痛にはアボカドが効く! 「三つの運動法」と組み合わせて「2週間ほどで痛みが軽減する人も」

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アボカドと豆腐のサラダを

 キーワードは「食」と「運動」です。

 膝痛の人に、ぜひ食べていただきたい食材があります。

 それはアボカドです。

 アボカドは「アボカド大豆不鹸化物(ふけんかぶつ)」という成分を含んでおり、この成分内にはTGF-βが入っています。

 TGF-βは血小板にも存在する成長因子で、コラーゲンの生成を促して皮膚や傷を再生・治癒し、すり減って欠けた軟骨を修復してくれます。

 私は以前、クリニックの患者さん59人に協力してもらって検証した事があります。

 59人のうち、1年間、週に1度もアボカドを食べない人たちが43人いて、この人たちのすり減った軟骨の平均値は0.36ミリでした。

 一方週に1度以上アボカドを食べていた16人のグループでは、すり減りは0.21ミリと明らかな差異が認められました。

 アボカドの効果は既にエビデンスが確立されており、海外ではアボカドの抽出成分が変形性関節症の薬として認められています。

 適切な摂取量としては、「1日アボカド半分」が目安です。

 また、アボカドが含む「不鹸化物」は実は大豆からも摂取できます。大豆由来のみそを使ったみそ汁にアボカド半分を入れて、1日1食食べる習慣を取り入れると相乗効果が得られます。

 大豆製品の納豆とアボカドをあえたり、アボカドと豆腐のサラダをサイドメニューに組み込んでもいいでしょう。

 膝を守るためには太腿の筋肉を保つことが重要ですが、筋肉を作るために効果的なのが「鶏の胸肉」です。

 1日当たりのタンパク質推奨摂取量は成人男性が60~65グラム、成人女性は50グラムですが、鶏の胸肉は100グラムあたり20グラム以上のタンパク質を含んでいます。

 疲労回復効果が高いカルノシンという成分も多く摂取できます。

 アボカドと大豆製品、鶏胸肉がそろった食卓は「膝にとっての最強食」といえるでしょう。

三つの運動法

「食」と両輪なのが「運動」です。「膝痛に効く三つの運動法」をご紹介します。ハードなものではなく「ちょいトレ」です。運動習慣がない方も気軽に始めてみて下さい。

ペッパー警部風スクワット

 ピンク・レディーのヒット曲の振り付けに似た動きのスクワットです。立ったまま壁にもたれて行います。体重を壁に預けることで、膝や腰に必要以上の負荷がかかりません。太腿の内転筋を鍛えられて、膝痛改善に繋がります。

 ペッパー警部風スクワットを行った35人のグループと、通常のスクワットを行った34人のグループを8週間調査したことがあります。通常ストレッチグループでは30分以上歩いた時に膝が痛む人の改善割合は85.7%だったのに対し、ペッパー警部風グループは100%改善という効果が出ています。

【やり方】

(1)足元が滑りにくい場所に立ち、背中で壁にもたれる。両手も下ろして壁につける。両足のかかとはくっつけて、膝よりも前に出す。

(2)膝を30度ほど曲げて、両かかとはつけたまま股関節を開く。そのまま5秒キープ。

(3)曲がっていた膝を伸ばしながら閉じる。

(1)~(3)を5回繰り返して1セット。1日3セット行う。

パチパチもも上げ

 大腿四頭筋には速さを伴う動作の時に働く「速筋繊維」というものが豊富に含まれており、ももを速く動かすことで効果的に筋力を強化できます。ゆっくりした運動の時に働く「遅筋繊維」と比べると、速筋繊維は加齢による減少が非常に早いことが分かっており、意識して強化することが重要なのです。

 また65歳以上のグループと65歳未満のグループで比較実験を行ったところ、65歳以上の方がこの運動による膝痛改善効果が顕著でした。65歳以上の方には特にお勧めの運動法です。

【やり方】

(1)立ったまま肘を曲げて脇を締め、地面と平行にし両手の平を下に向ける。

(2)手の平に「パチッ」と当たるまでできるだけ速くもも上げをする。左右25回ずつ、合計50回もも上げする。1日2度行う。

痛点ストレッチ

 変形性膝関節症で悩む方の多くは膝の周囲の筋肉が凝り固まってしまい、痛みが増しています。膝の内側を圧迫することで筋肉や腱を柔らかくし、痛みを感じにくくする治療法があります。患者さんに指導しているのは「鵞足(がそく)」と「内側側副靭帯」を押して伸ばす二つのストレッチです。

 鵞足は、膝の内側を後ろから前に斜めに走る筋肉の集合体で、膝を曲げる働きをします。内側側副靭帯は膝の内側を縦に走る靭帯で、膝がグラグラ横揺れしないように支える役割があります。

【やり方】

(1)鵞足を上から下へ、少し痛みを感じる程度の強さで押さえる。

(2)1秒ずつ10回こすり下げる。

(3)内側側副靭帯も同じようにこすり下げ、それぞれ3セットを1日2度行う。

 医師になった時、ほとんどの整形外科医は膝関節を人工関節に置換する手術を好むことに驚きました。そのオペは本当に避けられないのか? 患者が最も望む治療法なのか?と強く疑問に思いました。

 今回紹介した「食と運動法」は決して目新しいものではなく、私のクリニックの患者さんが実際に毎日実践しているものです。取り組み始めて、早ければ2週間~1カ月ほどで痛みが軽減する人を何十人も見てきました。

 何歳になっても膝の痛みは和らげることができますし、予防も可能です。そのことを知っていただきたいと強く願っています。

戸田佳孝(とだよしたか)
貴晶会戸田リウマチ科クリニック院長。1960年生まれ。関西医科大学大学院修了、医学博士。米国タフツ大学老年医療研究所客員助教授を経て現職。年間延べ1万人を診察している。保存的療法などに関して英文論文20本以上、和文論文200本以上を執筆するなど学術分野での実績も豊富。

 取材・文 中村 徹

週刊新潮 2026年10月22日号掲載

特別読物「今や4人に1人が悩む国民病 膝痛には『アボカド』が効く」より

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