ファミマ「250円ソフトクリーム」に漂う不安… コンビニおでんなき時代の“扱いが難しい商品”の経済学
ファミリーマートのレジ横フードといえば「ファミチキ」がおなじみだが、一部の店舗でソフトクリームが食べられるのをご存じだろうか。
今年10月から都内の4店舗で実証実験が始まり、2027年の夏ごろまで続ける予定だという。上手くいけば、「フラッペ」と並ぶようなファミマの冷たいスイーツのレギュラー入りするだろうか。実験店舗のひとつである、池袋の「ファミリーマート サンシャインCPH店」(サンシャインシティプリンスホテル1階)に行ってみた。
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これを食べるためだけに…?
価格はギガ盛りサイズが298円、ショートサイズは250円。ミルク、抹茶、ミックスの3種類があり、コーンかカップを選べる仕様だ。店頭ののぼりやPOPには「店舗限定」と打ち出されている。出向いたのは平日だったが、昼時だったこともあり、売れ行きはなかなかのものだった。注文が次々と入り、アルバイトのスタッフはソフトクリーム作りにかかりきりになっていた。
食べてみると、十分においしい。ただ、これを食べるためだけに遠くから訪れるか……といえば、筆者にはそこまでの特別感はなかった。それでも売れている。買い物のついでに、作りたてのソフトクリームを手にできる魅力はあるのだろう。ソフトクリームを手にした客を見ると、つられてつい食べたくなる心理もあるはずだ。
ただし、筆者はその光景を見ながら、
「これ、店の人は大変だろうな」
と考えていた。
売れれば忙しく、売れなければロスが出る
筆者はローソンで、店長やスーパーバイザー、商品バイヤーなどを22年間経験してきた。コンビニでは、売れる商品だからといって簡単に導入できるわけではない。ソフトクリームは、その典型といえる。
注文が入るたびに、スタッフが機械の前に立ち、一つずつ作る。昼時や夕方などに注文が重なれば、レジ対応や品出しなど、ほかの仕事とのやりくりが必要になる。今回は平日の訪問だったが、土日となればさらに大変だろう。それだけではない。原料となる「ソフトミックス」の補充や管理、機械の清掃、部品の洗浄も欠かせない。洗浄の頻度や方法は機種によって異なるが、こうした作業を深夜に行う場合もあることも予想できる。ただでさえ、夜勤スタッフには、商品の納品への対応、品出し、清掃、翌朝の準備と仕事が多い。そこに新たな作業が加われば、負担は増す。
原料の管理にも気を使う。開封後の使用期限などのルールがあり、余ったミックスをいつまでも使い続けることはできない。販売量を読み違えれば、廃棄することになる。多く売れればスタッフの作業が増え、売れなければ原料のロスが出る。ソフトクリームは、見た目の華やかさとは裏腹に、店にとっては扱いの難しい商品なのである。
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