「90歳を過ぎてもピアノの練習」「作った童謡は300曲以上」 服部公一さんが忘れることのなかった子供心

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90歳を過ぎてもピアノの練習を

 妻の康子さんは振り返る。

「やりたくないことはしなかったですね。でも相手に考えを押し付けません。楽しめる程度でも演奏できた方がいいと上の娘にはバイオリンを習うよう勧めました。時がたち下の娘には好きなことをしたらいい、と変化していました。おおらかな雰囲気が好きな人でした」

 南米との音楽交流を地道に続け、日本の外務大臣から表彰されてもいる。作曲と書くことは似ていると言い、エッセイの名手でもある。皮肉めいた面はなく、曲のように情景が浮かびするりと心に入ってきた。

「90歳を過ぎた頃からピアノを弾くのが難しくなってきました。編曲が頭の中ではできているのに、指に伝わらないと残念がっていた。それでもピアノの練習をしていました」(康子さん)

 8月6日、肺炎のため93歳で逝去。

「わがままな人でしたけれども邪心はありませんでした。自分より大事な存在と言うほど孫をかわいがり、家族っていいもんだな、とつぶやいていました」(康子さん)

 両親との縁が非常に薄かった服部さん。だからこそ子供の心に耳を澄ませられたのだろうか。

週刊新潮 2026年10月15日号掲載

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