強竜復活へ…新生「工藤中日」がドラフトで誰を獲得すべきか? 「勝てるキャッチャー」を筆頭に“12人の実名”
球団創設90周年の今季、最下位に沈んだ中日。井上一樹監督が辞任し、新監督にはソフトバンクを5度の日本一に導いた工藤公康が就任する。では、“工藤ドラゴンズ”がチーム再建を進めるうえで、10月22日のドラフト会議ではどんな選手を獲得すべきなのか。【西尾典文/野球ライター】
【写真】神宮球場でのヤクルト戦で中日の今シーズン最終試合を勝利に導いた“エース投手”の力投写真
最初に補強したいのは捕手
10月13日現在、2023年ドラフトで指名された10人のうち8人が、自由契約となるか、トレードで球団を離れることになっている。近年の指名が十分な成果につながっていないだけに、今年は補強ポイントをより明確にした戦略が求められる。
最初に補強したいのは捕手である。
今年は2年目の石伊雄太が正捕手となり、112試合に出場して打率.264。盗塁阻止率はリーグ4位の.283を記録した。一方、石伊以外にスタメン出場した捕手はベテランの木下拓哉、加藤匠馬に限られ、24歳以下の支配下捕手は味谷大誠しかいない。
石伊に対する球団内の評価も、決して盤石ではないようだ。「スローイングやキャッチングなど基本的な捕手としての能力はありますが、リード面については疑問の声があります。どんな場面でも同じようにサインを出して、同じようにプレーしているように見える。投手の良さを引き出す工夫が見当たりません。今年は逆転負けが40試合ありましたが、少なからず石伊の責任があるように思いますね」(球団関係者)
捕手の層を厚くし、正捕手争いを活性化させる存在として渡部海(青山学院大)を推したい。
智弁和歌山では2年夏に甲子園優勝。青山学院大では1年春から正捕手を務め、東都大学リーグ1部で6連覇、大学日本一に4度輝いた。“勝てるキャッチャー”としての実績は申し分ない。
送球、キャッチングといった守備に加え、4番を任される打力を備える。捕手を補強するなら、競合を覚悟して1位で狙う価値は十分にあるだろう。
抽選で外した場合、渡部に匹敵する完成度を持つ捕手は見当たらない。その場合は下位で内藤蒼(浦和学院)、後藤幸樹(沼津商)ら高校生を指名し、将来の正捕手候補として育てたい。
将来の先発候補として面白い存在
1位で渡部を獲得できたと仮定すれば、次は将来の先発陣を支える高校生投手を狙いたい。 中日は過去4年間、大学生投手を1位で指名。一昨年、昨年は2位でも社会人、大学生の投手を獲得した。金丸夢斗は先発、吉田聖弥はリリーフで一軍に定着し、草加勝、桜井頼之介は戦力になりつつある。
対照的に高卒の若手投手は人数が限られ、二軍ではベテランが多くのイニングを担っている。今後のローテーションを考えれば、高校生の本格派を加えておきたい。 2位まで残っていれば狙いたいのは平田玲翔(大分商)だ。
今夏はエースとして甲子園に出場。6月に肩の違和感を訴えた影響でリリーフ登板となったが、最速150キロを計測したストレートを武器に好投した。高校生投手では上位候補の一人と言えるだろう。 平田以外では、選抜準優勝投手でU18侍ジャパンとして活躍した本格派サウスポーの杉本真滉(智弁学園)、杉本に夏の奈良大会で投げ勝った190cmの大型右腕・新城楓雅(奈良大付)が候補に挙がる。
3位以降で指名できそうな高校生では、岡本翔斗(香里丘)にも注目したい。まだ細身ではあるが、フォームに癖がなく、今後の成長を期待できる投手である。現時点で完成度を求めるタイプではないものの、体ができてくれば球威が増す余地を残しており、将来の先発候補として面白い存在だ。 即戦力投手では、ブルペンの補強が課題となる。 今年はリリーフ陣に調子を崩す選手が相次いだ。そこで3位以降の候補として常深颯大(大阪経済大)を挙げたい。
チームではエースを務める。先発時にはストレートの勢いがやや物足りないが、大学日本代表候補合宿で短いイニングを投げた際には、見違えるようなボールを投げていた。リリーフに回れば球威が増すタイプと見ていいだろう。
左腕ながら制球が安定し、スライダー、チェンジアップを決め球として使える。若い左のリリーフが吉田聖弥に限られている現状を考えれば、役割を描きやすい投手である。
[1/2ページ]



