「まだ裏の攻撃があるのに試合終了」プレーオフ&CSで起きた“まさかの幕切れ”

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 日本シリーズ進出をかけて争われるセ、パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)。ファースト、ファイナル、いずれのステージも短期決戦とあって、シーズンではなかなか見られない珍幕切れが生まれることがある。パ・リーグのプレーオフ時代を含め、思いもよらぬ形で決着がついた試合を振り返る。【久保田龍雄/ライター】

何が何だかわからなかった

 内野安打の間に二塁走者が一気にサヨナラのホームを踏み、日本シリーズ進出を決めたのが、2006年の日本ハムだ。

 シーズン1位の日本ハムは、プレーオフ第2ステージで3位から勝ち上がってきたソフトバンクと対戦。

 10月11日の第1戦は、ダルビッシュ有の力投で3対1と勝利し、アドバンテージの1勝と併せて次のステージ進出に王手をかけた。

 翌12日の第2戦、日本ハムはルーキー左腕・八木智哉、ソフトバンクは投手五冠の絶対エース・斉藤和巳が先発。8回まで両軍無得点という球史に残る投手戦となる。

 0対0の9回裏、日本ハムは先頭の森本稀哲が四球を選び、田中賢介の犠打で1死二塁。サヨナラのチャンスをつくった。

 小笠原道大が敬遠され、セギノールが三振。2死一、二塁から稲葉篤紀が二塁左へゴロを転がした。

 セカンド・仲沢忠厚が追いつき、二塁ベースカバーに入ったショート・川崎宗則へ送球する。

 だが、一塁走者・小笠原が二塁封殺を阻止すべく激走し、執念のヘッドスライディング。判定は間一髪セーフ。

 これで2死満塁となり、同年限りで引退を表明していた新庄剛志に打席が回る。誰もがそう思った。

 ところが、一瞬の隙を突くように、二塁走者・森本が俊足を飛ばして、すでに三塁を回っていた。川崎のバックホームも及ばず、そのままサヨナラのホームを陥れる。

 一か八かの“足攻”が功を奏した鮮やかな幕切れ。日本ハム・ヒルマン監督は「シンジラレナーイ!」と目を丸くし、森本も「サヨナラの瞬間? 何が何だかわからなかった」と半ば夢うつつだった。

 一方、悪夢のようなサヨナラ劇に、斉藤は涙とともにマウンドへ崩れ落ちる。しばらく立ち上がることができなかった。

 第1ステージの西武戦では、松坂大輔と投げ合って0対1と惜敗。その雪辱を期して中4日で先発した日本ハム戦でも、勝利の女神は微笑まなかった。

 シーズンでは“負けないエース”と呼ばれた男も、日本シリーズを含むポストシーズンでは通算10試合に登板して0勝6敗。常に“悲運のエース”のイメージがついて回った。

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