「担当スカウト=強く推した人」ではない? 現役スカウトが明かすドラフト会議“球団内攻防”の舞台裏

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球団内の攻防

 1998年のドラフト会議では、当初は別の選手を1位候補としていた西武が、堤義明オーナー(当時)の鶴の一声で、甲子園春夏連覇を達成した松坂大輔の指名に切り替えたというのは有名な話である。

 松坂は1年目から最多勝を獲得するなどエースとなり、結果的に指名は成功した。一方で、オーナーや社長の意向が強く反映され、結果につながらなかった例もあるという。話題性や、現場に直接かかわっていない経営トップの独断に左右されるのではなく、専門職であるスカウト部門が最終的な決定を下すのがあるべき姿と言えるだろう。

 近年ではスカウトだけでなく、アナリストがアマチュア選手の視察に訪れているケースがあり、多角的に選手を評価するようになっている。しかし最終的に誰を指名するのかを決定するのは人であり、そこに至るプロセスも極めて重要である。

 担当スカウト、編成、監督、GM、そして経営陣。それぞれの思惑が交錯するなかで、12球団は今年どんな選手を指名するのだろうか。華やかな舞台の裏で繰り広げられる“球団内の攻防”にも注目したい。運命の日は、もうすぐそこまで迫っている。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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