「パパ。私、結婚するから」20歳娘が突然宣言、選んだ相手はまさかの… 「おまえはオレの娘を女として見ていたのか」
改めて雄二さんと話をすると
翌朝、娘は晴れやかな顔で朝食をとっていた。「無理するなよ、いつでも泣いていいんだから」と慎太さんが言うと、「私、そんなに子どもじゃないから」と娘はツンとした。いつもの態度に慎太さんもようやく胸をなで下ろした。
その後、彼は雄二さんと話した。病気になった雄二さんのめんどうを妻は見る気がないらしい。
「しばらくはひとりで仕事をしながら通院できるし、いざとなっても病院に入るだけだからと彼は言いました。申し訳ない。ひたすらその言葉を繰り返すので、離婚していなかったことを娘に言わなかったのはハラが立つが、娘も大人だからおまえとどうこうなったことはしかたがなかったと思うことにすると伝えました」
病状だけは知らせてほしいと彼は雄二さんに伝えた。「だってオレたち、親友だろ」と言うと雄二さんは号泣した。慎太さんは妻と娘には内緒のまま、ときどき連絡をとっている。
「娘を傷つけたと思うと雄二が憎いこともある。でも子どものころから彼はいつも僕を、いろいろな場面で助けてくれた。憎みきれないんですよ。僕自身、どうやって心を整理したらいいかわからない。だからまだ会えないんだけど、彼の病気を考えると何とか支えになってやりたい気もする。一方で、娘の傷が完全に癒えたわけではないだろうから、それも心配なんですけどね」
意図せず不倫をしてしまった娘の若さゆえの潔癖さを考えると、まだまだ安心はできないと慎太さんは言う。何も知らない息子は、来春の大学受験に向けてようやく本腰を入れて勉強を始めたところだそうだ。
「いつか笑い話になるといいね。紘絵とはいつもそう言っています」
そうなるかどうかは娘の胆力にかかっているのかもしれないけど、自分たちは信じることしかできないから。そう言った慎太さん、親心があふれかえった表情だった。
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娘を傷つけた男への怒りと、幼いころから助けられてきた親友への思いの間で、慎太さんは心を整理できずにいる。記事前編では、慎太さんが紘絵さんと出会い、雄二さんが家族と親しくなっていくまでを紹介している。
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