トーカイ「LS-200」は“100万円超” ウイスキーだけじゃない“国産エレキギター”がヴィンテージ化して高騰する理由
2025年、老舗の国産ギターブランド「フェルナンデス」が破産手続きを開始するなど、若者のエレキギター離れが進み、愛好家も減少しつつあると言われる。その一方で、一昔前から、1970~80年代に製造された日本製のエレキギターが“ジャパンヴィンテージ”などと呼ばれるようになり、相次いで高騰しているのをご存じだろうか。
例えば、東海楽器こと「トーカイ」が製造したLSシリーズは、アメリカの楽器メーカー「ギブソン」のレスポールの“コピーモデル”なのだが、その最高峰とされるLS-200は、現在100万円を超える価格で取り引きされることもある。当時から高価格帯のモデルだったとはいえ、今や本家をしのぐヴィンテージギターとして評価されるようになった。
少し前ならリサイクルショップにもよく並んでいた、LSシリーズの廉価版のモデルLS-60などでも、20~30万円台の値をつけるものがでてきている。国産ギターがなぜ今注目され、高価になっているのだろうか。【文=山内貴範】
【写真で確認】“Les Paul”ではなく、“Love Rock”…今や高値で取引されるジャパンヴィンテージギターの貴重な姿
現物資産としての評価と外国人の需要
ギブソンやフェンダーなどの海外メーカーには及ばないものの、国産ギターの熱烈な愛好家は古くから存在していた。音楽系出版社のシンコー・ミュージックが、2000年代初頭に国産ギターを紹介するムック本を何度も出していることからもわかる。当時からプレミア価格で取り引きされるモデルはあったが、急激に高騰したのはここ数年の話である。
前出のLS-60のように、10年前ならリサイクルショップで数万円台だったモデルが、ネットオークションで数十万円という高額で落札される例が相次ぐ。最近では、楽器専門店ならいざ知らず、一部のリサイクルショップの店頭にも“相応の値段”で並ぶようになってきた。
高騰の要因の一つに、コロナ騒動の際、投機筋から現物資産が注目されたことがある。高級腕時計、アンティークコイン、ポケモンカード、ソフビ人形をはじめ、楽器も投機の対象になった。特に、ギブソンやフェンダーの1950~70年代のモデルは製造から半世紀以上経ち、個体数が減少していることから投機目的の購入者も相次いだ。その流れで、国産ギターも注目され始めたといえよう。
外国人の需要の高まりも大きい。トーカイやグレコなどの国産ギターは、作りの良さから外国人の間でも人気があったが、その魅力がSNSなどを通じて広まったからだ。なお、一部のコレクターはジャパンヴィンテージという言葉を嫌うようだが、とにかく日本製のギターが注目されているのは間違いないだろう。
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