トーカイ「LS-200」は“100万円超” ウイスキーだけじゃない“国産エレキギター”がヴィンテージ化して高騰する理由
品質が上がった要因は「売れたから」
1970~80年代の国産ギターは品質も高いという。その理由として、良質な木材が現在より入手しやすかったとか、職人がたくさんいてしかも技術が高かったなど、様々な理由が挙げられているが、結局のところ「売れていたから」というのが最大の理由であろう。たくさん売れたため、たくさん製造された結果、職人の技術力も向上したのである。
これは他の木工製品にも共通していることだ。日本の仏像彫刻が技術面で頂点に達し、黄金期だったのは、江戸時代だったという研究がある。それは、幕府が制定した檀家制度によって日本中に寺院が整備され、仏像の需要が高まったためである。また、江戸の市街地はたびたび火災に見舞われたが、焼失した寺院の再建の際、大量に仏像の需要が発生したことも大きい。
戦後の高度経済成長期に日本人が豊かになると、中流階級も家を持つようになり、家具のニーズが生まれた。木工家具の技術が進化し、デザインや加工の面でも世界に評価される家具がたくさん作られた。このように、需要は技術を進化させるのである。なお、この時代に培われた家具の技術を生かし、ギターメーカーに転職した職人も多いようだ。
バンドブームの盛り上がり
1970~80年代には数々のギターヒーローが生まれ、空前のバンドブームが起こり、ギターの需要が高まった。バンドに対して冷ややかな目を向ける大人も多く、エレキギターを禁止する学校もあったというが、逆にそういった弾圧があったほうが文化は盛り上がるというのも、歴史上たびたび起こってきたことだ。
需要を受けて、国産メーカーから、初心者用、中級者用のギターが競うように発売された。最初は安かろう悪かろうだったと思われるが、生産数が増加したことで品質も向上。そして、「もっと高品質なギターがほしい」という要望に応える形で、木材の選定から、製作工程に手間をかけた高価格帯のギターが生まれることになったのである。
当時はまだ1ドル360円の時代だ。消費税はないものの物品税があったから、舶来品は総じて高価だった。ギターの最高峰とされる1959年製のギブソンのレスポールは、1970年代には既に入手困難だったといわれ、本物と同等のギターを求める声が上がっていた。国産ギターは、こういった需要を見事に汲み取ったのであった。
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