消費減税の財源に「為替介入の利益」流用困難と言われる理由

国内 政治

  • ブックマーク

官房長官は否定

 政府は5日、食料品への消費税率を1%に下げる方針を固めた。2027年4月からの減税に加え、中低所得者への給付と合わせて減税は「5兆円規模」となる。その財源として赤字国債の発行を回避すべく政府・与党内では為替介入で得た円(外為特会)の活用に期待が集まっているが、果たして――。

 消費減税が確定的となった今、焦点は財源に移っている。減税反対派は財源のありかをネチネチと問うことで減税撤回を狙っているフシもある。

 政府・与党内では財源を赤字国債に頼ろうとする声は小さく、かといって明確な財源は見当たらず、為替介入で得た円を活用できないかとの期待が集まっているという。

 しかしこのアイディアはすでに否定されている。木原稔官房長官は5月の会見で、財源に「為替差益を活用することはできない」と述べているのだ。「為替介入で得た円貨は償還期限を迎える政府短期証券の償還に充てることが法令上求められる」「(剰余金の活用が期待されている)外為特会の留保分を除き、防衛財源などに活用してきている」などと説明した。

ルールそのものを改変すれば

 木原氏の説明にもちろん根拠はある。巨額のドル売り介入を行って得た円は政府短期証券の償還に充てられる仕組みになっているため、介入額がそのまま自由に使える財源になるわけではない。

 現状、剰余金の一部は一般会計への繰入れなどを通じてすでに財源として活用されている。外為特会には運用の安定性を保つためのルールがあるため、仮に消費減税分の財源にしようとしても、今の仕組みのままでは5兆円規模を丸ごと新たな財源にするのは難しい。

「外為特会を消費減税の財源にと考えている勢力はルールそのものを改変すればよいとさえ考えています。改変の可能性はもちろんありますね」

 と、政治部デスク。

 あくまでも仮の話だが、外為特会の運用収入や外国為替等売買差益などを踏まえ、今後の剰余金が6兆円規模になるとしてみよう。過去の一般会計繰入れの規模などを参考に7割程度が一般会計に回るとすれば、その額は約4.2兆円だ。この約4.2兆円という数字は、食料品の消費税を8%から1%に減税した際に生じる国の税収減の試算額とおおむね重なる。「為替介入の利益をそのまま消費減税の財源に」という主張は、こうした数字の綺麗さもあって、ルール改変を辞さない推進派にとっては説得力を持つ議論として注目されているようだ。

次ページ:秋の臨時国会が

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。