妻の親友に「彼女はあなたを愛してない」「浮気もしてた」と囁かれ…鬱屈をぶつけた46歳夫が恐れる“問い詰めない妻”

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「郁美はいつも私の男をバカにしてきた」

 そのとき理彩さんは言った。「あんたの妻はどうしてあんなに私をバカにするのよ」と。「あの人はいつだって上から目線なんだ」とも。

「その気持ちはわからなくはなかったから、郁美があなたにいつも強気の対応をしてきたのかと聞いてみたんです。すると理彩は『ボーイフレンドができるような年齢になってから、郁美はいつも私の選ぶ男をバカにしてきた』と。『確かに私はダメな男ばかりとつきあってきたけど』と自嘲的でした。だいたい郁美はいい子過ぎるの、いい子ぶってばっかりと何かを吐き出すように言い続けました。郁美に対してストレスがたまっていたんでしょう。30年くらいのつきあいになるはずだから、その間、いろいろあったんでしょうけど」

 理彩さんは悪魔のように囁いた。

「ねえ、浮気しようよ。いいでしょ、1度だけ。郁美だってしてたんだから、ここで復讐してやろうよと、理彩が僕の耳に吹き込みました。郁美が浮気していた? そうなのかと言うと、『知らぬは亭主ばかりなり、だったのね』と。なんだかその瞬間、理彩同様、僕も郁美に上から見下ろされていたのかなと思って体がカッと熱くなった。気づくと理彩を押したおしていました」

共通の敵を倒したような気分…

 理彩さんは孝次さんの体に手を回して呻きながら、「郁美はあなたのことなんて愛してないよ、どうしてわからないの」と言った。そういえば郁美さんに尊重されていないと感じることは確かにあった。もっとオレを大事にしろよ。そんな言葉を郁美さんにぶつけたいことも多々あったが、それを封じ込めてきたのだ。家庭の安寧のために。そのいらだちを、目の前の理彩さんに情熱という形でぶつけた。理彩さんは嬌声で応えた。

「ことが終わったとき、ものすごくすっきりしたのを覚えています。共通の敵を倒したような、爽快な気分でした。理彩は色っぽい目で僕を見つめて『よかった。ありがとう』と言った。郁美にそんなふうに言われたことはなかったから、単純にうれしかった」

 理彩さんとまた会いたい。孝次さんはそう思った。だが、それっきり理彩さんは彼にふたりきりで会おうとしなかった。郁美さんに会いに来て、「送っていってあげて」と言われても、『あ、大丈夫。歩いて帰れる距離だもん』とさっさと帰っていくことが増えた。

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