「『皇室典範改正』を『議員定数削減』潰しのための人質に」…野党「審議拒否」に分かれる賛否 「比例区カットに反対するのは、自らが“おこぼれ当選議員”だから」との冷ややかな指摘も
「自民枠議員」たちの本音
今回の定数削減案は、与野党協議が一年でまとまらない場合、自動的に比例区のみ45議席を削る案だが、自民党が圧勝し、野党各党が議席数を大幅に減らした今年2月の衆院選を見れば明らかなように、成立すれば野党各党にとって切実な問題となる。
「前回衆院選のような様相になれば、野党各党は小選挙区での議席獲得はほとんど見込めず、比例で復活当選することが議席保持の命綱となります。野党各党にとって、その比例区での議席数減はまさに死活問題となりかねない」(同)
振り返れば2月の総選挙では、小選挙区で軒並み自民議員が勝利し、同党の比例での復活当選枠が余ってしまったため、獲得していたはずの14議席を他党に振り分けるという珍事が起きたほどだった。
「定数削減法案を糾弾している野党議員の中には、こうした比例での自民の“おこぼれ”で復活当選を果たした議員も名を連ねています」(同)
たとえば、「議員定数削減より政治とカネの問題に決着をつけること」と主張する西村智奈美議員(中道)や、長妻昭議員(同)、菊田真紀子議員(同)らはいずれも「自民党枠」の復活当選組だ。
そもそも、反対論も少なくない副首都法案は別として、比例区の定数削減については、世論調査を行えば賛成が多数を示すテーマである。6月の読売新聞の調査でも、賛成67%に対し、反対は20%という結果が出ている。
そんな背景から、自民党からは「強硬な反対姿勢の裏には、自らの延命を図るためという私利私欲も混じっているのでは」といった冷ややかな声も聞こえてくる。
ボイコットは馴染まない
こうした対立の波の渦に飲み込まれてしまいそうなのが、皇室典範の改正案である。皇族数の確保に向け、政府が今国会で提出を予定している皇室典範改正案は、一旦は与野党の「総意」の元にと打ち出されたものの、野党だけでなく維新からも批判が出るなど、迷走している印象だ。
前出とは別の政治部デスクは言う。
「ご結婚後も皇室に残る女性皇族の子の皇位継承権についての森英介議長の発言や、中曽根弘文議員の『愛子さまと結婚する人はいない』発言が批判にさらされるなど、与党の進め方は慎重さを欠いている。一方、2法案への反対を理由に、この法案についても野党が審議入りを拒否したとしたら、野党側も批判に晒されることにはなるでしょう。国の象徴である天皇陛下や皇室に関する制度などについては、やはりしっかりと審議された上での改正を望む国民が多いことは論を俟たない。国会の段階で審議を拒否すれば、“総意”が形成されるべくもないことは火を見るよりも明らかです」
ことこの問題に関しては、審議に消極的な姿勢は馴染まないというのだ。
「皇室典範改正については、『有識者会議による報告書』がまとまってから4年が経過しています。その間、各党・各会派が集まって議論を重ねてきました。『衆参正副議長によるとりまとめ』が行われた上で、ようやく政府が改正案を提出する運びとなっているのが現状です。政局や党利党略に関係なく、きちんとした議論、審議を経て結論を出すことが望ましいのは確か。現段階では、連立与党を組む維新からも典範改正の内容に疑問の声が上がるなどしていますが、だからこそ、議論の大切さがクローズアップされています」(同)
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