プールの水の止め忘れは“自腹”なのに…同じ過失でも学校で自分の洗濯物を乾かして火事を起こした非常識な教師が「損害賠償責任を問われないカラクリ」
明治32年に制定された「たった一行の条文」に救われる?
「過失により他人に害が発生した場合は、民法709条に基づく不法行為責任を負うのが原則です。しかし、失火による火災の場合は、失火責任法によって免責されます」
下記は失火責任法の条文だ。
〈民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス〉
「明治32年に制定されたたった一行の条文です。失火が過失だった場合、つまり先ほど挙げた、石油ストーブの近くで服を今にも落ちそうな状態で乾かしていたなどの重過失でない限り、不法行為に問われないことになります。炎はその燃え広がるという性質上、延焼により損害が膨れ上がる可能性があり、巨額な賠償責任を個人が負わなければならなくなるので、単純な過失については免責しようという考えです」
こう聞いても釈然としない人は多いのではないか。どちらかと言えば、プールの水の止め忘れは誰もがやってしまいそうなミスだ。自宅でやるべき洗濯を学校でやっていた音楽教諭の方がよほど悪質で、損害もはるかに大きいのに不平等ではないかとどうしても思ってしまうが、
「プールの方では、失火責任法のような単純な過失を免責する法律がないだけの話です。法律上の立て付けがそうなっているとしか言いようがありません」
水と火の特性の違いで、法的責任にかくも大きな格差が生じてしまうのである。
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