小学校火災「ミッション:インポッシブルみたいな避難」は正しかったのか「消化活動よりまず児童を階段から逃がすべきだった」の声も

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 結果オーライで済ませて良い話なのか。6月19日、東京都北区の小学校で発生した火災である。4階の窓から3階部分の庇(ひさし)へ飛び移る“機転”は結果的には児童たちの命を救ったが、正しい避難方法だったと言えるのか。そして失火原因を作ったとされる教師の責任をどうとらえるべきなのか。

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「消火器―!」と叫んで飛び出した男性教諭

 まずは緊迫の場面を振り返る。

 滝野川第三小学校の4階の音楽室では、5年2組の24人の児童が3時間目の授業を受けていた。午前10時50分頃、女性の音楽教諭は「焦げ臭い匂い」に気づいた。

 女性教諭は廊下に出て様子を伺ったが状況を把握できず、一旦音楽室に戻った。そして室内でつながっている音楽準備室の扉を開けた。その瞬間、モクモクとした黒煙が音楽室に入りこんできた。ほぼ同じタイミングで、「ジリリリ」と火災報知器が校内に鳴り始めた。

 その音を聞いて、同じ4階にある5年2組の教室で1人残って事務仕事をしていた担任の男性教諭が慌てて音楽室へ飛び込んできた。出火場所が音楽準備室だと確認すると、

「消火器―!」

 と叫びながら廊下へ。これに呼応したのは、たまたまトイレ掃除をしていた女性主事だった。目についた消火器を手に取りピンを抜いてから男性教諭に渡し、受け取った男性教諭は再び音楽室まで駆け戻って、音楽準備室に向けて消火器を噴射した。だが、火は勢いを増すばかりで鎮火できなかった。この間、女性主事や他の教室で授業をしていた教員・児童は火元から遠い方にある階段を使って避難した。

3階庇の幅は80センチ

 男性教諭はこのタイミングで避難を決意する。備えられていた救助袋を用いた、窓の外からの避難だった。

 救助袋は使用できる状態だったとみられる。だが、うまくいかずに作業の途中で断念。使い方が分からなかったのか、時間がなかったのかは不明だ。その後、階段からの避難を検討して廊下に出てみたものの、防火シャッターが降り、黒煙はたちこもる一方で難しい状況だった。

 そして、映画「ミッション・インポッシブル」のトム・クルーズさながら、4階の窓から3階部分の庇(ひさし)に飛び移り、救助を待つことを決断したのである。庇の幅は80センチ。2人の教諭が連携しながら児童たちを移していった。どういう経緯でそうなったかは不明だが、3人の児童は教諭たちがいる逆側の庇に自分たちで飛び降りた。

 それから窓から炎が吹き出す中、子供達は耐え抜き、駆けつけた消防によって発生から約1時間後には全員が救助された。

 だが、男児1人と女性教諭が庇に飛び移る際、約3メートル下の2階の屋根部分に転落。男児が肘、女性教諭が腰を骨折。9人が煙を吸い込む軽傷を負った。

 幸い1人も命を失わずに済んだこの避難方法。はたして適切だったと言えるのかーー。

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