「個人タクシーのドライバーが私服のおじさんでちょっと怖かった」…なぜ日本のタクシー運転手は「背広でネクタイ」なのか? いまも残る「おもてなし文化」に乗客の反応は

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ブルーカラーの正装はスーツなのか

 日本のタクシードライバーは、ほとんどがスーツの制服を着用している。

 一般的にタクシードライバーは、ブルーカラーに属する職業だ。他のブルーカラー職であるトラックドライバーや建設・製造業の作業員たちとは違い、体を大きく動かす機会がないとはいえ、一般のホワイトカラーの現場よりも厳しいスーツ着用の基準や禁止事項があるのには、強い違和感を覚える。

 そんな思いをタクシーのドライバーにぶつけてみたところ、こんな言葉が返ってきた。

「やっぱ、客商売だからなんですかね」

 実際、タクシードライバーに求める格好について議論されていたSNSの投稿には、

「タクシーは客商売なのだからスーツを着ていてほしい」

「タクシーは密室。命預けてるのでスーツまでいかなくともオフィスカジュアル等きちんとしてくださってると安心する」

「ラフな個人タクシーだと乗る瞬間不安を覚える」

「個人タクシーのドライバーが私服のおじさんで何かちょっと怖かった」

 などの書き込みがある。

 余談だが、SNSで「面接時にスーツを着ていく」と綴っていたあるトラックドライバーが、その続きに、こんなことを記していたのを思い出す。

「(トラックドライバーだって)ちゃんとしているとこはちゃんとしているんやで」

 ブルーカラーの正装も、“スーツ”なのだろうか。彼らの正装は、“作業服”ではないのだろうか。海外でタクシードライバーがスーツを着用している光景は、ほとんど見たことがない。

 ホワイトカラーの格好こそ「ちゃんとしている服」という考え方や、客商売ならばスーツじゃなければならないという固定観念の背景には、ブルーカラーに対する偏見、ブルーカラーワーカー自身にある負い目、さらには、日本の過剰な「おもてなし」文化があるのだろうと感じる。

 もちろん、タクシーにおいては他のブルーカラーのような「ザ・作業服」ではないにしても、さすがに背広を1日中着用しないといけないというルールは、見直してもいいのではないだろうか。

 別のタクシーに乗った時、そのドライバーはこんなことを言っていた。

「動きにくいです、やはり。せめてジャージ生地のスーツを作ってほしい」

 常識から逸脱しないデザインであれば、もうそれはジャージでいいのではないだろうか。「見た目を気遣うより、安全運転をしてくれたほうがいい」と、ひとりの乗客として思うのだ。

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