ネットでヒーローになった“刺青みっちり”「ハンマーおじさん」は警察にマークされていた”手練れの窃盗犯”だった 地元民は「高校生は暴走族でない」と減刑署名を疑問視
なぜ凶悪犯がヒーローに…。ゴールデンウィーク中、自宅前で友人らとたむろしていた高校生を金づちで殴り、傷害容疑で起訴された「ハンマーおじさん」こと高林輝行容疑者(44)である。事件直後から、ネット上では高林容疑者を「暴走族を退治した英雄」などと擁護し、減刑を求める署名運動も起きていた。だが、地元民は「被害にあった高校生たちは暴走族ではない」と口を揃える。しかも再逮捕された3回目の容疑はヒーローには似つかわぬ罪名だった。(前後編の前編)
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【写真】“追い詰められた末の悲劇” 高林容疑者をヒーローに祀りあげた「署名サイト」とネット民を“暴走”させるきっかけになった「現場写真」
以前から警察にマークされていた
6月22日、警視庁立川署は高林容疑者を窃盗と建造物侵入容疑で再逮捕した。
「2月9日、立川市内のリサイクルショップで、ブランドもののバッグなど9点(約340万円相当)を盗んだ容疑です。深夜3時頃、高林容疑者は2人組で店舗に侵入。ショーケースを割り、逃走するまでの時間はわずか7分間だった。調べに対して高林容疑者は黙秘を貫いています」(社会部記者)
高林容疑者がネット民から注目を受けることになったのは、ゴールデンウィーク初日の4月29日。午前7時過ぎ、東京都福生市の自宅前にある飲食店駐車場でたむろしていた男女7人の高校生に襲い掛かり、男子高校生(17)に目付近の骨を折る重傷、もう1人の男子高校生(17)に軽傷を負わせた。
母親が注意しに行ったものの、高校生らが解散しなかったことに腹を立てての犯行だった。
その後、110番が入り福生署員が駆けつけるも、ナイフを振り回し、自宅に立て篭もって催涙スプレーのような液体を署員に噴霧器でかけるなど抵抗。隙を見て自宅裏口から抜け出し、バイクと車を乗り継いで逃亡した。警視庁はSIT(特殊事件捜査係)を投入し突入したものの、その前にすでに逃走を許してしまう大失態を犯した。
“追い詰められた末の悲劇”
結局、発生から3日目の5月1日、千葉県習志野市内の知人が借りているアパートの一室に潜伏しているところを発見され、殺人未遂容疑で逮捕。5月22日、東京地検立川支部は、殺意を立証できなかったとして罪名を傷害に切り替えて起訴した。28日、警察官に対する傷害と公務執行妨害の両容疑で再逮捕、そして今回3回目の窃盗容疑での逮捕に至った。
「立川署では傷害事件が起きる前から高林容疑者をマークしてきたが、窃盗事件に使われた車と傷害事件で逃走に使った車と一致したことから一気に捜査が進んだ。同じ車は12月に立川市内の店舗で発生した現金窃盗事件に使われていたこともわかっている。共犯者が少なくとも1人以上いることもわかっており、行方を追っています」(同)
この間、ネット上では不可解な動きが起きていた。SNSで高林容疑者に対する「擁護論」が盛り上がり、逮捕翌日の5月2日には、減刑を求めるオンライン署名運動まで始まったのである。
主宰者は〈高林輝行容疑者の情状酌量と、暴走族による騒音行為の厳罰化を求めます〉〈この事件は「一方的な加害」ではなく、長時間にわたる悪質な騒音被害と、家族への精神的圧迫の末に起きた“追い詰められた末の悲劇”として見る必要があります〉などと訴え、22日午前10時現在で2万2665筆が集まっている。
〈今日も騒音をたてる奴、それに悩まされる人たちがいる。 法改正して禁止にしてほしい。 我慢していたこの方は何も悪くない〉(賛同者のコメント)
〈本来警察が対応すべきところを、警察が動いてくれないと言う事でこういう事になった。なので彼が罰せられるのはおかしい〉(同)
同様の趣旨によるクラウドファウンディングで約24万円を集めている別サイトもある。
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