子供の数が激減しても「東大合格者数」は40年前と変わらない 定員を減らさないと日本の国力が低下する深刻な事情

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1967年から定員3,000人を割っていない

 1877(明治10)年に国内初の近代的な大学として設立された東京大学。入試の難易度はもとより、学生の学力も、研究水準も、国内最高峰であることに異論をはさむ人はいないだろう。英国の高等教育専門誌「Times Higher Education」による2026年版の「THE世界大学ランキング」では26位につけている。

 そんな東大について、いまのご時世だからこそ気になることがある。1949(昭和24)年に1,950人だった学部の入学定員は、その後少しずつ増加し、1967年に3,008人と3,000人の大台に乗り、翌1968年に3,063人となった。それ以来、今日まで3,000人を切っていないのである。

 18歳人口が増加するのに合わせ、1986年にそれまでより多い3,230人の合格者を出してからは、臨時的な措置として(臨時定員)、合格者が多い年がしばらく続いた。18歳人口が約205万人とピークに達した1992年には、3,619人の合格者を出している。だが、2004年に3,088人に戻ってからは、2026年の3,083人(推薦を含む)までほとんど変化がない。来年は一般選抜の募集定員が100人削減されるが、これは入学時期が秋である新学部「カレッジ・オブ・デザイン」を創設するためで、定員自体は変わらない。

 しかし、18歳人口は減少の一途をたどっている。当たり前に考えて、今後は年々、東大に合格しやすくなるのではないか、という懸念が生じざるをえない。

2.5倍合格しやすくなる

 1986年に合格者数を増やすまで、18歳人口がどれくらいいたのかというと、1982年から1985年まで約164万人、172万人、168万人、156万人と推移した。合格者数を元に戻した2004年は約141万人で、以後は少子化の流れのなかで減少傾向に転じた。2008年には124万人まで減っている。以後、減り方が若干緩やかな時期が続いたが、2026年は約110万人まで減少した。

 ただし、少子化と反比例するように大学進学率が上昇し続け、大学受験者数自体は減らなかった。このため東大にかぎらず、各大学はこれまでほとんど定員を減らしていない。

 以前は就職したり専門学校に進んだりしていた層の多くが、大学に進学するようになったため、be動詞や四則演算も怪しい大学生がいる、ということがよく話題になる。つまり大学生の学力の平均は下がったと思われるが、ともかく、学生の総数だけは減らずに済んでいた。なかでも学力の上位層が集中する東大の難易度は、現状では、以前とさほど変わっていないといわれる。

 だが、これからはそうはいかないだろう。2026年、すなわち今年を境に、18歳人口の減少を大学進学率の上昇で補えなくなるからである。

 しかも、18歳人口は今後、勢いを増して減少していく。9年後の2035年には100万人に届かず約96万人になる。12年後の2038年には90万人を切って約86万人に。その後は、日本人の出生数が2022年に80万人未満になったので、2041年には18歳人口が80万人を割るだろう。そして、2024年には出生数が70万人を割り込んだので、19年後の2043年には18歳人口も70万人未満になると思われる。

 つまり、18歳人口はこれから12年で22%、18年で37%ほど減少するのが、ほぼ確実なのである。2025年の出生数は、1899年に統計を取りはじめて最低の67万1,236人だったが、東大の定員がこのまま減らなければ、この世代が受験するころには、単純に計算すれば、競争が激しかったころとくらべて、2.5倍ほど合格しやすくなる。ピーク時には、東大に合格するのは同世代のうち570人に1人程度だったが、220人に1人は入れることになってしまう。

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