「健康は血管で決まる」 1日5分でオッケーな「ずぼらストレッチ」とは エキスパートが解説
若返らせるスイッチ
筋肉を伸ばすと、体内では「一酸化窒素(NO)」という物質が分泌されます。このNOは血管の内皮細胞から放出され、血管を拡張し、しなやかさを保つ働きを持っています。いわば、血管を内側から若返らせるスイッチのような存在です。
重要なのは、このNOが分泌される条件です。息が上がるような激しい運動は必要ありません。「気持ちいい」「伸びている」と感じる程度の、ゆるやかな動きのときにこそ多く分泌されるのです。つまり、頑張る必要はない。むしろ頑張らない方がいい。この手軽さこそが、多くの方に「ずぼらストレッチ」を長く続けていただけている要因といえるでしょう。
実際にその患者さんは、半信半疑ながらもストレッチを継続しました。特別な器具も使わず、椅子に座ったまま、あるいはテレビを見ながら、日々少しずつ体を伸ばしていったのです。そして1年後。再び行ったエコー検査では、半分閉じていた血管が開通し、血流が明らかに改善していました。プラークも減少が見られ、血液は滑らかに流れていたのです。
「処置なし」と言われた状態からの回復。この変化は、血管が持つ回復力の大きさと、適切な刺激の重要性を示しています。
ここでは、特に血流改善に効果的で、日常の中で無理なく続けられる四つのストレッチをご紹介します。
1日5分でOK
これらのストレッチは、いずれも「ながら」で行って構いません。例えば、椅子に座って、スマートフォンを見ながら足を伸ばす。テレビを見ながら、ソファでゆっくりと体をひねる。床に寝転びながら、膝を抱える。これが“ずぼら”たるゆえんです。
運動用のウェアを準備する必要はありませんし、ジムに通うようなやる気も不要です。ぜひ自宅で、部屋着で行ってください。
しかも、短時間でOKです。まずは1日5分、週に30分を目安にしましょう。スマートフォンやテレビを見ていれば、5分なんてあっという間ですよね。
ポイントは、量ではなく頻度にあります。毎日続けることが、血管を変えていくのです。
ストレッチのポイントは、下半身の筋肉が伸びているなと感じることです。伸びている感覚というと難しく思われるかもしれませんが、気持ちいいと感じたらそれが伸びているということです。そのまま呼吸を止めずに5秒キープ。元の位置に戻って、ストレッチを繰り返します。
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