「天皇陛下のお車を中心に…」 皇宮警察「白バイ隊員」が“国家公務員のMVP”に選出! 側衛白バイの「レジェンド」が語った理想の警備スタイル

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皇宮警察のレジェンド

 年間で若干名しか選ばれない人事院総裁賞を、個人として皇宮護衛官が受賞したのは今回が初めてのことだ。受賞した藤本さんは、長年にわたって“側衛白バイ”やサイドカーに乗車。皇室の安全確保や、国家行事の円滑な運営に貢献したことが高く評価された。皇宮護衛官として40年間勤務し、20年以上を白バイとサイドカーの乗務員として、皇室行事の護衛業務に尽力してきた。皇警関係者は「まさにレジェンドと言っていいと思います」と話す。

 特に高度な技術とバランス感覚を必要とする側車を操っての護衛では、突出した実績を持つ。また後進の育成や技術の伝承にも力を注いできた。藤本さんは受賞に伴い、追い求めてきた理想の警備のスタイルを「一枚の絵」にたとえ、「天皇陛下のお車を中心に、側車6台が一体化する時」と述べている。

 一方で皇警の白バイ隊では過去、不祥事スレスレの事故も起きている。

 2003年7月、北海道富良野市の国道38号で、地方視察に訪れられていた在位中の上皇上皇后両陛下のお車に、後方から対向車線を猛スピードで走ってきた軽自動車が急接近した。皇警の白バイ隊が両車の間に割り込み激突を塞いだが、容疑車両と接触した弾みで白バイが両陛下のお車に衝突。お車が壊れる事故が起きたのだ。

 最終的には直接の衝突を阻止できたことから、皇宮警察と北海道警に対する処分は見送られたが、車列妨害で実被害が出たケースは初だったため、警察庁内部では処分を求める声もあった。車列の後方から接近してくる不審車両に無防備であった点について、当時の佐藤英彦警察庁長官が定例記者会見で「今後に向けた改善点」と反省の弁を述べている。

 警察用語では重要人物(要人)への警備を通常の「警備」ではなく、「警衛」や「警護」と呼ぶ。警護は大臣など政府の要人や、来日した外国の要人の身辺を警備すること。これに対して警衛は皇室の警備を意味する。警衛を専門とするのが警察庁の外局に位置付けられる皇宮警察本部だ。また、全国47都道府県にある警察本部には、皇宮警察とタッグを組む警衛担当が配置されている。

 ちなみに東京は東京都警察本部ではなく、明治時代に命名された警視庁の名称が使われていることはよく知られる通りだ。管内に皇居があり、皇室のお膝元を守る警視庁には警衛を担当する警衛課と、警護を担当する警護課がそれぞれあるが、多くの道府県警では警衛警護課や警衛警護室など、要人警備は兼務の部署が置かれている。

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