絢子さま「パーフェクト婚」の裏で囁かれる「深刻危機」

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 7月2日、高円宮家の三女・絢子(あやこ)さま(27)が、日本郵船に勤務する守谷慧(もりや・けい)さん(32)と共に婚約会見に臨まれた。

 延期となった秋篠宮家の眞子さまと小室圭さんの結婚の方はかなり雲行きが怪しくなっている模様だが、絢子さまのお相手は我々が気を揉む必要がないお方なのだろうか?

 イギリス王室をはじめ世界の王室の研究者で、皇室にも詳しい関東学院大学教授の君塚直隆さんに話を聞いた。

「お相手の守谷さんは、父が元経産官僚、母(2015年死去)はNPO法人〈国境なき子どもたち〉の元専務理事、本人も慶応義塾大学を卒業して日本郵船に勤務と、非の打ち所のない経歴です。しかも、もともと守谷さんの母と親しかった高円宮妃久子さまが取り持った縁ということですから、“間違いのない”縁談かと思います」

 いわば「パーフェクト婚」とも言える慶事である。しかし、君塚さんは「絢子さまの結婚自体は喜ばしいことですが、一方で、皇室の将来については深刻な危機が迫っていると感じます」と懸念を口にする。なぜか。

「それは皇室典範第12条に、いわゆる〈臣籍降下〉が定められており、絢子さまが結婚すれば皇族の身分を離れられることになるからです。皇室の構成(※別表)を見ればわかる通り、絢子さまが〈臣籍降下〉すると、皇室は明仁天皇を含め、たった18人しかいないことになります」

「しかも彬子さま、瑶子さま、承子さま、眞子さま、佳子さま、愛子さまの6人も、今後結婚して皇室を離れる可能性があります。そうなれば、いま皇室が抱えている膨大な量の公務を誰が担うのでしょうか。公務を通じて国民に寄り添う姿を見せているからこそ、皇室が〈国民の象徴〉たりうるわけです。これ以上の皇族の減少は、象徴天皇制自体の危機を招くと私は懸念しています」

「そこで私は『立憲君主制の現在:日本人は「象徴天皇」を維持できるか』という本の中で、皇室典範を改正して、〈臣籍降下〉を廃止すべきだと提案しました。皇室に生まれた女性は(相手の身分にかかわらず)結婚後も“1代に限って”皇族にとどまり、引き続き公務を担ってもらうようにすればいいのです。たとえばイギリスの王室では、エリザベス2世女王の長女であるアン王女は2度の結婚歴がありますが、結婚後も彼女ひとりに限って王族にとどまり公務を続けています」

「さらに言えば、ゆくゆくは〈皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する〉という皇室典範第1条を見直さなければ、いずれ皇室の先細りは避けられないと考えています。第1条の改正については議論が分かれるところかと思いますが、現在の皇室の構成を見れば、このまま無為に過ごすことは許されない状況にあることは明らかです」

 絢子さまの結婚を機に、われわれ日本人は今一度、皇室の将来について真剣に考えるべきなのかもしれない。

デイリー新潮編集部

2018年7月2日掲載

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