白内障手術から1年 「眼内レンズに濁りが…」 体験者が語る「後発白内障」という落とし穴と、術後の副作用

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後発白内障は時間とともに累積?

 そこで、後発白内障に関するさまざまな文献を調べてみたところ、治療法は、YAGレーザー後嚢切開術と呼ばれる手術だけだった。これは、濁りのある後嚢にレーザーを照射して穴を開け、光を通すことで、視界を改善するというものだ。

 患者数については公表されていないが、前述した通り、白内障手術後、半年から5年以内に発症する人は20~30%とされている。逆に言えば、残りの70~80%の人は後発白内障を発症しないことになる。

 しかし、5年過ぎたら後発白内障はゼロになるというエビデンスはない。あくまで、5年以内のデータであり、10年、20年後まで延長すれば、さらに患者が増えるのではないか。

 例えば、フランスでは2017年に約25万3000人の患者がYAGレーザー後嚢切開術を受けたと報告されている。ちなみに、当時のフランスの人口は6677万人である。

 このデータは現在の日本の人口に換算した場合、年間約47万人が手術を受けている可能性を示唆している。

 後発白内障が時間とともに累積していくのは、間違いないように思えるのだ。

明らかに視力が低下

 実際、またしても皇室の方を例に出すのは恐縮だが、常陸宮華子さまは、2006年、66歳のときに白内障手術をなさったが、19年後の2025年、85歳で後発白内障を発症され、治療を受けられている。

 ここで、先に私が担当医にした質問に戻ると、「あなたは後発白内障ではあるが、治療が必要な状態ではない」という答えだった。

「白内障手術から時間がたつと、最近視力が落ちてきた、と訴える人は多いです。以前ほどクリアじゃなくなったとか、見え方が違うとか、手術直後は蛍光灯がまばゆく白く見えていたのに、色がくすんできたとか」

 確かに、最近は蛍光灯が黄色味を帯びて映る。

「眼内レンズが固定されて、視力が安定してきたことも、見え方に影響していますね。あなたの場合は矯正視力で、両目とも0.9ありますから、今は手術を考えなくてもいいと思いますよ」

 しかし、「裸眼で1.2まで回復していた」はずの視力が「矯正した状態で0.9になった」のだから、明らかに視力が落ちているではないか。

 そこまで話したとき、私は医師との会話が、なにか食い違っている、と感じた。そして、質問を重ねるうちに、自分が大きな勘違いをしていたことに気付いた。

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