「はしご車」が届くのは11階までが限界… 知られざる「タワマン火災」の実情
地上31メートル。階数で言えば、およそ11階。これが東京都内に配備される一般的な「はしご車」の到達会の上限なのだという。そこで頭をよぎるのが「もしタワマンの高層階で火事が起きたら?」という疑問だ。都内マンションの販売価格を定点観測し続けるマンションブロガー「マン点」氏による、「データで見る高層マンションの防災事情」のレポートをお届けする。
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【写真を見る】都内にわずか8台 40m級はしご車が配備される地域
「31m/11階の境界線」
住宅購入者がタワーマンションのモデルルームで眺望に歓声を上げる時、その部屋の物理的な“高さ”が消防の救助戦術を変える「分水嶺」であることを意識することは少ない。
建築基準法では31メートル超の建物には非常用エレベーターの設置を義務付けており、消防法は11階以上の階にスプリンクラーの設置を求める(免除規定あり)。こうした基準は、消防力の象徴である「はしご車」の“物理的限界”と密接に関係している。
都内に配備されている「はしご車」の約9割は「30メートル級」であり、到達できるのは10階付近までとされている。31メートルという数字は、外部からの直接救助が主役ではなくなる領域の始まりを意味している。
もっとも、はしご車が届かないことがただちに「救助の断念」を意味するわけではない。高層階の安全は、消防隊による建物内部からの救助と、建物に備えられた防火区画や消火設備といった安全システムを前提に設計されている。
言い換えれば、高層住宅では外部からの救助よりも、建物の構造と設備、そして消防隊の内部進入によって被害の拡大を抑えるという考え方が基本となっているということだ。
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