とにかく議論が進まない女性皇族の“結婚後の処遇”…キーマンは「高市首相の後見人」で、「閣外」にいる大物議員

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政党の合従連衡で変化か

 明治神宮や出雲大社、熱田神宮など、歴代天皇から大祭に使者(勅使)が送られる格式高い「勅祭社」と呼ばれる神社(全国に16あるが、伊勢神宮は別格のため含まれない)の1つである香椎宮(香椎神宮)は、麻生氏が選出されている衆院福岡8区にある。主祭神は第14代の仲哀天皇と正妻の神功皇后となっており、神功皇后は地元で古来、英雄視された存在だ。

 神功皇后はよく知られるように、明治時代までは『常陸国風土記』や『扶桑略記』など一部の史書に基づき、皇位を夫婦の間で継承した第15代の天皇で、初の女帝(女性天皇)とされていた。そうしたことから「卑弥呼と同一人物の可能性」や「天照大神のモデルでは」などと言われてきた。歴史学者や考古学者だけでなく、皇室ファンや“レキジョ”と称される歴史好きの女性らからもヒロイン扱いされている。

 自民党関係者は「麻生氏の地盤の福岡は、保守的な土地柄と言われていますが、神功皇后の影響もあって女性天皇に理解を示す人も少なくはないようです」と推察する。

 これまで与野党は、皇族数の確保策として(1)女性皇族の身分を結婚後も保持する(2)旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える――の2案を軸に協議してきた。立民は前者について、結婚後の女性皇族の夫と子に皇族の身分を付与するべきと主張し、与野党で見解が分裂。後者は自民と日本維新の会、公明党、国民民主党が賛同していたが、やはり立民は慎重姿勢を示してきた。

 麻生氏は公明が政権離脱し自民が維新と新たな連立を組むや、皇室典範改正の断行を立民に呼びかけていたことが表面化。2026年中の改正は自民と維新の連立合意に盛り込まれたもので、中道改革連合などがどのような具体策を打ち出すのかが注目されている。

 前出の宮内庁関係者は「高市首相は支持基盤の保守層を裏切れず、今国会の代表質問でも皇室典範改正を『喫緊の課題』と述べるにとどめましたが、男系男子堅持は譲れないはずです」と指摘。与党内では旧宮家の養子論が勢いを増している。「だからこそ森英介新衆院議長ではなく、首相の後見人で、かつ閣外という立場にある麻生氏の出方が注目なのです。物価対策という国民注視の重要課題を抱える中で、麻生氏はどのような“指し手”を選ぶのか。(宮内)庁内でも注目が集まっています」と話している。

朝霞保人(あさか・やすひと)
皇室ジャーナリスト。主に紙媒体でロイヤルファミリーの記事などを執筆する。

デイリー新潮編集部

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