報道機関の記事をリポストしただけで違法行為に? ペットショップ「クーアンドリク」委託コンサルタントから訴えられた杉本彩さんが勝訴 紀藤正樹弁護士が解説
女優の杉本彩さんが、ペットショップ大手「Coo&RIKU」(クーアンドリク)の委託コンサルタントから名誉を毀損されたとして1157万円の損害賠償を求められた訴訟で、東京地方裁判所は原告側の請求を棄却する判決を出した。杉本さんは勝訴したものの「どうして私が訴えられなければならなかったのか」という思いが拭えない。なぜなら、「デイリー新潮」の記事を読んで「酷い」と思い、他の人にもペットショップ問題を考えて欲しいと思ってXでリポストしただけだったからだ。
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【写真】最後は水を飲む力さえもなくなり…8年前、クーアンドリク直営の猫カフェでろくに医療を受けられないまま衰弱死してしまったベンガル猫の「るる」
「デイリー新潮」と杉本さんを別々に訴えた
店頭で買ったばかりの子犬が瀕死の状態と訴えても「治療費は出せないが交換ならできます」と答える店員。ゴキブリだらけの繁殖場で倒れていく子犬・子猫たち。
2023年、「デイリー新潮」はクーアンドリクの杜撰な動物取り扱いを追及する記事を12回にわたり配信した。その中の一つの記事をめぐって、のちに2つの裁判が起こされた。
タイトルは〈店舗責任者が旅行中に「猫が見殺しに」…「クーアンドリク」直営の猫カフェで起きた「アルバイト女性5人」の“反乱” 労働組合に加入して闘った〉(23年9月25日配信)。
原告となったのはいずれもクーアンドリクではなく、記事にA子さんという仮名で登場する、クーアンドリクに委託コンサルタントとして雇われていた女性だった。
記事で伝えたこと
2018年頃、クーアンドリク直営の猫カフェ「Puchi Marry(プチマリー)」の仙台青葉店(宮城県)でA子さんは「店舗責任者」として勤務していたが、同店のアルバイトたちと激しく対立した。原因は店で飼っていた猫の死だった。
同店では日頃から動物管理責任者を正しく配置しないなど、杜撰な動物管理が行われていた。体調を崩す猫が多く、とりわけ深刻だったのはベンガル猫の「るる」。アルバイトたちはるるが衰弱していく様子に心を痛め、A子さんに、病院に連れて行くなどの適切な処置を取るよう繰り返し指示を仰いだが、「そのうち移動させる」と言われるだけだった。最後は見るに見かねたアルバイトの1人が独断で動物病院に連れて行ったが、間に合わず、るるは死んだ。
その報告を受けたA子さんは店舗関係者の共有LINEに、《病院代は誰が支払うのですか?》などと投稿。猫を独断で病院に連れていったとしてアルバイトを責め立てた。
アルバイトたちはこの言葉に強く反発した。るるが衰弱していく中、A子さんは店にほとんど顔を出さなかったばかりか、SNSにタイやシンガポールなど、頻繁に海外旅行を楽しむ様子を多数投稿していたからだ。両者の溝は埋まらず、最終的にはアルバイト5人がクーアンドリクに対し、労働裁判を起こす事態に発展した。
以上の顛末をデイリー新潮は当事者のアルバイトなどから取材して報道した。杉本さんがこの記事で関わったことは、下記のコメントを載せてリポストしたことだ。
〈ずさんな繁殖と医療ネグレクトに苦しんだ猫の死。どこまでも非道である。拡散お願いします〉
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