「ステルス値上げ」はあり?なし? 石原伸晃と読み解く“コンビニが映す日本社会のいま”
ステルス値上げ問題と値付けの難しさ
石原:この間、出張帰りにラーメン500円、替え玉160円のお店を博多駅で見つけました。東京なら850円はするようなラーメンでしたが、まだこんなところがあるんだなと。
渡辺:個人消費を活性化させる視点だと、ちょっと値上げしてくれないかなとも思っちゃいますね(笑)。個人的には僕だって500円のラーメン屋があったら超嬉しいんですけど。安いことには理由があるし、安さ勝負では事業者の経営も成り立たなくなっている時代なので。
石原:店員さんはほとんどベトナムの方でした。コンビニだと値段を変えず容量を減らすパターンの値上げもよくありますけど、あれって消費者的にどうなんですかね?
渡辺:もちろん「こっそり値上げされてイヤだ」という話はあるんですが、「高くなるよりはマシ」という人も実は一定数いますね。高齢化で胃袋も小さくなっているので。値付けって本当に難しいんですけど、価値と価格が一致していて買ってもらえることが大事なのかなと。
石原:全く同意見ですよ。
渡辺:あと、政治家の方にはだいたい嫌がられる話題なんですが、僕は食料品の消費税減税だけでもやってほしいんですよね。
石原:もう政界は引退した身ですが、それに関しては反対なんですよね。理由は簡単で薬代を子どもや孫たち現役世代に払わせるのが嫌だからです。医療費をある程度自費にすれば可能でしょうけど、何しろ6~7兆円かかるので、防衛費を増額すると言っているうちは難しいと思います。
渡辺:そこはトレードオフの考え方なんですね。
石原:例えば1年ずつ消費税本体を15%に持っていて、食料品5%とかならトレードオフになると思いますけどね。
渡辺:ゼロにしなくてもいいんですが、家と車以外の100万円以上の買い物には超高い税金かけたり、米・パンといった炭水化物だけ下げたり、やり方は色々あると思うんです。要するに僕は満足に食べられない人がいないようにしたいんですよね。本当に生活厳しくなっていますし、どんなに貧しい方も腹一杯食べられるといいなと。
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