被疑者が逃走、監視役の警官2名は2時間気づかず…間抜けすぎる「静岡県警」に元刑事は「警備体制を根本的に検証すべき」

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手錠を開けることは不可能

 静岡県警は島田被告の逃走を発表するとともに通報を呼びかけ、300人体制の警備を敷いた。幸いなことに、半日後となる5日の午後2時頃、病院からおよそ13キロ離れた三島市の路上で身柄が確保される。ただし、その時、島田被告は自転車を押して歩いており、左手首にあったはずの手錠はなかった。彼は外した手錠を袋に入れ、持ち歩いていたという。自転車は盗んだのだろう。だが、手錠はどうした? ルパン三世じゃあるまいし、そんなに簡単に外せるものなのか。

「以前、出演したテレビ番組の企画で“手錠は外せるのか?”という実験を行ったことがあります。解錠のプロを自称する人と鍵屋さんが挑戦したのですが、時間内に開けることはできませんでした。特殊な機材を使った別の鍵屋さんがようやく開けることができましたが、そうでもしないことには手錠の鍵を開けることなどできません」(小川氏)

 ではどうしたのだろう。

「島田被告は入院中でしたから、手錠をキツく閉めていなかった可能性があります。そのため、石鹸などで滑りをよくして手を抜いたのかもしれません」(小川氏)

 12月18日、静岡県警は定例会見で謝罪した。前出の社会部記者は言う。

「県警総務部長は逃走の原因は調査中とした上で、病室内の警察官の配備、確認しやすさの確保、手錠などの使用方法が適切でなかったと認めました。ただし、なぜ逃走を許したのかについての調査結果を公表するかどうかは『検討する』としか答えませんでした」

 これに対して小川氏は言う。

「そもそも、今回の逃走についてこれだけ疑問が出てくる事案ですから検証は必要です。その結果を警察官の処分も含め公表するかどうか検討中ということなら、いつまで検討するのか、もし発表しないということなら発表しない理由も含めて公表すべきです。さらに、そうしたことを会見の場で追及しない地元マスコミもどうかと思います」

 島田被告には逃走罪、そして自転車の窃盗罪も加わるのだろうか。

デイリー新潮編集部

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