「ついスマホばかり見てしまうあなたへ」 池上彰が伝授する、とっておきの“空き時間読書術”とは?

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 ニュース解説の第一人者でありながら、読書家としても知られる池上彰さん。それゆえに、学生やテレビの視聴者などから「オススメの本を教えてください」、「速く、効率よく読むコツは?」といった質問もよく受けている。

 日々の仕事に忙殺され、読みたい本も読めない……と悩みを抱えるビジネスパーソンも少なくないはず。ついスマホばかり見てしまうあなたに、池上さんが伝授する、<とっておきの読書術>とは?

 池上さんの新刊『池上彰が話す前に考えていること』には、さまざまな経験を通して磨かれた「思考の整理」のスキルがまとめられている。その中から、伝えるプロが実践する3つのポイントを紹介する(以下、同書をもとに再構成しました)。

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(1)働いていても本は読める

「仕事が忙しくて、読みたい本もろくに読めない」「疲れてスマホばかりみてしまう」という声は現役世代からよく聞きます。

 私がおすすめしたいのは、ちょっとした空き時間の活用。食堂で注文した定食が運ばれてくるまでの10分間、就寝前の15分間など、こま切れの時間にすかさず本を開くのです。

 新人記者時代は「サツ回り」に忙殺されていた私ですが、いつでも本を持ち歩いていました。夜更け過ぎ、お目当ての捜査員の帰りを待ちわびながら、路上の自動販売機の明かりを頼りに活字を追ったことも……。

 時間は自分でつくれるものなのかもしれませんよ。

(2)「いい本」は自分で見つける

「何かいい本を教えてください」とアドバイスを求められることがあります。私が最近読んだなかで一番面白かった本のタイトルを教えるのは簡単ですが、質問してきた人にその本が合うかどうかは未知数です。

 そもそも「いい本」とは何なのでしょう。それぞれの人の興味や関心、その時々のニーズによって「出合ってよかったなあ」と思える本はさまざま。自力で見つけるしかないのです。

 だからこそ自分で書店に足を運んでほしいと思います。「これ、気になるな」「読んでみたいな」と感じた1冊を、実際に手にとってほしいのです。

(3)速く読みたいなら、たくさん読む

「速読のコツって何ですか?」とよく聞かれます。

 私の答えは至って単純、「とにかくたくさん読むこと」です。小手先のテクニックに頼らず、一字一句しっかり目で追いながら読んでいく。ごく普通の方法です。

 ランニングでも、速く走るためには継続してたくさん走るトレーニングが必要ですよね。読書も同じで、ちょっとずつでいいから継続してたくさん読む習慣を身につけると、スピードもだんだん上がっていきます。

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「読書とは、底の抜けたひしゃくで水を汲むような営み」と池上さんは語る。本をたくさん読んでいれば、たちまち賢くなれると思ったら大間違い。おそらく漢方薬のように、じわじわ効いてくるのが基礎知識であり、教養なのだ。

 千里の道も一歩から。どんなに忙しくても、活字から得られる心の栄養を日々大切にしたいものである。

 ※『池上彰が話す前に考えていること』より一部抜粋・再編集。

池上彰(いけがみ・あきら)
1950(昭和25)年、長野県生まれ。ジャーナリスト。名城大学教授、東京科学大学特命教授、立教大学客員教授など複数の大学で教鞭を執る。慶應義塾大学卒業後、NHK入局。報道記者や番組キャスターなどを経て、1994年から11年間、『週刊こどもニュース』でお父さん役を務める。2005年に独立。『伝える力』『なぜ、読解力が必要なのか?』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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