「ミルクあげるのもったいないね」「うん、そうだね」…00年発覚の愛知3歳女児餓死、裁判で明らかになった虐待の生々しさ
第1回【3歳女児餓死事件から25年 「殺人罪」に問われた21歳夫婦の所業…祖母が漏らした本音「子供が子供を産んだようなもの」】を読む
今からちょうど25年前の2000年12月11日、「娘が死んでいる」との通報で現場に急行した警官は絶句した。当時3歳だったAちゃんの顔は青黒く、目はくぼみ、アバラは浮き、手足は骨と皮だけ。しかも、通報した父Bと母Cは「11月中旬から満足な食事を与えなかった」などと供述したのである。さらにその後の裁判では、絶句どころか耳を疑うような鬼の所業が明らかになっていた――。2001年3月14日に名古屋地裁で開かれた初公判の様子を報じた当時の「週刊新潮」掲載記事と、裁判の結末までを伝える。
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洗濯ばさみで被害者の太股を
(以下、「週刊新潮」2001年3月29日号掲載記事を再編集しました。文中の年齢等は掲載当時のものです)
父B「Aにちゃんと食べさせたら」
母C「だって食べないんだもん。でも、よう保つね」
父B「よう保つね」
3月14日、愛知県武豊町の3歳女児餓死事件の初公判が名古屋地裁で開かれた。
「冒頭陳述の描写は詳細で傍聴席からは声も上がりません。ここまで酷いことをしていたのかと、驚きの連続でした」(司法記者)
事件があったのは、昨年末。武豊町の製鉄会社社宅で、Aちゃん(3)=当時=が、父B(21)と母C(21)に虐待された上、餓死した。父母は殺人罪に問われている。
冒頭陳述では、虐待の様子が生々しい。
〈被告人Bは、被害者にゲームの邪魔をされると、被害者を平手で叩くなど……〉
〈理由もなく殴ったり、洗濯ばさみで被害者の太股をはさんで痣をつけ……〉
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