【3歳女児餓死事件から25年】「殺人罪」に問われた21歳夫婦の所業…祖母が漏らした本音「子供が子供を産んだようなもの」
今から25年前の2000年12月11日、愛知県で衝撃的な事件が発覚した。3歳女児が両親からろくな食事を与えられず、虐待の末に餓死していたのだ。「娘が死んでいる」と通報した父Bと母Cは「11月中旬から満足な食事を与えなかった」「段ボール箱の中に入れてそのままにしておいた」などと供述した――。第1回では、事件発覚時の様子と父母の生い立ちを伝える当時の「週刊新潮」記事を再掲する。
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警察も絶句した遺体
(以下、「週刊新潮」2000年12月28日号掲載記事を再編集しました。文中の年齢等は掲載当時のものです)
12月11日未明、愛知県武豊町の自宅で死亡していたAちゃん(3)の遺体は無残なものだった。顔は青黒く、目はくぼみ、アバラは浮き、手と足も骨と皮だけ。警察の署員も絶句したほどだった。
「12月10日の夜11時57分に“娘が死んでいる”という通報があり、0時25分に現場に到着。居間で毛布にくるまれているAちゃんを発見しました」(愛知県警半田署)
通報したのは、大手製鉄会社の子会社に勤務するB(21)とC(21)夫妻。同町の社宅の一室からである。部屋にはゴミが散乱し、生ゴミが腐ったような異臭がただよっていたという。
司法解剖の結果、Aちゃんの死因は餓死。右側頭部と顔面右側には、床擦れ特有の皮下出血があり、BとCは保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された。
ベッドから落ちて頭を打ったと
「出かけていて、帰ってきたら娘が死んでいた」
「11月中旬から十分な食事を与えなかった」
「段ボール箱の中に入れて、そのままにしておいた」
警察の事情聴取に、2人はそう供述した。
「残念です。せっかく改善が見られていたのに……。病院としてはこれ以上、どうしようもありませんでした」
と嘆くのは、以前にAちゃんを診察した病院の関係者だ。
「最初に来院したのは一昨年の9月。Aちゃんが痙攣で左足や両手がビクビク震えている、と受診に来たのですが、診察の結果は左急性硬膜下血腫でした。11月に手術し、成功。なんでも受診の7カ月ほど前に、兵庫県に旅行に行った際、ビジネスホテルのベッドから落ちて、頭を打ったとのことでした」
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