要介護の義母を引き取り、言いなりで世話を続ける妻… “がんばり屋”だと思っていた彼女の恐ろしすぎる真実
【前後編の後編/前編を読む】共働きの妻の帰宅を待ちながら「カップ麺」… “あなたが夕飯を作ってくれても”にキレる夫の遅すぎた後悔
宇佐見良輔さん(55歳・仮名=以下同)は、学生時代からの友人だった優佳さんと28歳で結婚した。ふたりの関係は“友だち”に近い感覚で、離婚を経験した母から聞かされていた「結婚は友情と信頼が基本」という言葉も、頭にあったという。良輔さんは会社員、優佳さんは保育士とそれぞれ仕事をもっていたが、夕食を作るのは妻の仕事だという認識が夫婦にはあったという。2人の子供に恵まれたものの、妻の帰りを待ちながらカップラーメンを食べていたことが招いた “事件”などを経て、優佳さんの心は傷ついていった。その結果、良輔さんが「悲劇」と語る出来事が起きてしまった――。
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【後編を読む】共働きの妻の帰宅を待ちながら「カップ麺」… “あなたが夕飯を作ってくれても”にキレる夫の遅すぎた後悔
良輔さんが50歳になったころのことだ。息子は20歳、娘は17歳となり、もう大人同士として話せるようになっていた。
「思い返せば、僕は仕事が人生のメインでした。妻も仕事を続けていたけど、やはり軸は家庭だったと思う。息子と娘も家事はよく手伝っていたみたいですよ。妻はよくやってくれる。いつもそう思っていたし、感謝もしていた。あまり言葉にはしていなかったけど妻はわかってくれているとも信じていた」
話を聞いていると、実際には彼抜きでも家庭はうまく回っていたのではないかと感じさせられる。彼がどのくらい家庭に貢献してきたのかが、あまりにも見えなかったからだ。それでいて、家庭がうまくいっていると思えるのはなぜなのか。“昭和の男”にもほどがあると、少しずついらだってきた。そこへ彼からの爆弾発言があった。
「50歳のとき、20歳の女性と恋をしたんです」
「結婚はできないけど認知はする」
家庭に不満があったわけではない、恋をしたいと思っていたわけでもない。それなのに恋に落ち、あげく彼女が妊娠した。
「彼女は産むというので、結婚はできないけど認知はする、産前産後の生活費や養育費も出すと約束したんです。でも彼女は流産、そして僕のもとから去っていった。子どもがいないなら僕といる意味がないって。恋はそういうものじゃないでしょ。流産した心の傷をお互いに癒やし合って、ふたりで一緒に生きていきたかったのに……。彼女はさばさばしてました。『考えたら、まだ子どもは早い。育てきれないもの。かえってよかったわ』って。それもショックでした」
若い子の気持ちはわからない……。彼はそう言ってため息をついた。自分の子と同じような年齢の若い女性に恋をしたのはなぜなのか。繁華街で彼女のほうから迫ってきたと良輔さんは言った。売春ですか。そう問うと「違う」と彼は即座に言った。
「僕がときどき飲みに行くバーの近くで、よく見かけた子なんですよ。なんだか気になって、顔を合わせるたびに『ごはん食べてるの?』『たまには家に帰ったほうがいい』と言っていたんですよ。あるとき彼女が『私、成人してるから』と免許証を見せてきた。だったらしっかり働きなさいと定食屋で説教したら、『とりあえずお風呂に入りたい』と言われて。それでホテルに行って、その日はそのまま僕は帰ったんです」
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