ソ連の独裁者たちが手を焼いた“厄介な男” 権力と渡り合い97歳まで生き抜いた芸術家の正体とは

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「表現の自由が制限された独裁国家では、偉大な芸術は育たない」……かと思いきや、現実世界に目を向けてみると、必ずしもそうとは限らないのが不思議なところである。たとえば、全体主義国家として悪名高かったソ連では、クラシック音楽、バレエ、演劇、小説、映画……多くのジャンルで偉大な作品を生み出している。

 なぜソ連の芸術家たちは、共産党による厳しい統制の中で、偉大な作品を生み出すことができたのか。その理由の一端を垣間見せてくれるのが、ロシア史を専門とする池田嘉郎・東京大学教授の新刊『悪党たちのソ連帝国』(新潮選書)である。...

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