「醜いなんて言わせない」 プラスサイズ女性への偏見をなくしたい…ビューティコンテスト優勝の49歳社長の戦い
【前後編の後編/前編を読む】「太ってる自分が嫌い」から美の頂点へ コンテスト優勝者が語る“壮絶いじめ”の過去&愛娘に見せたかったモノ
プラスサイズの女性が自分らしく輝ける社会の実現を目指すビューティコンテスト「Today's Woman プラスサイズビューティコンテスト 2025」。「18歳~39歳の部」のグランプリ受賞者に話を聞いた前編に続き、後編では「40歳以上の部」でグランプリに輝いたYasukoさんに、その生い立ちと今後のビジョンについてうかがった。
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【写真12枚】ウサ耳をつけた可愛い透けワンピスタイルのYasukoさん、ゴージャスドレスの迫力BODYも
Yasukoさんは、現在49歳。昨年も出場したものの、前回は5位に終わった。結果に不満は一切なかったが、自分の取り組み姿勢に対して「もっと精一杯やればよかった」という後悔があった。
「ファイナリスト仲間は、必死の想いでコンプレックスとも向き合いながら努力し、数か月間で驚くほど成長して、ステージで輝いていました。その姿はとても感動的で、仲間を心から尊敬しました。一方で自分がどれほど成長できたかを考えたときに、仲間と自分に対して恥ずかしい気持ちになりました」
今年は、自分もこのコンテストからもらえるチャンスを活かし、仲間と一緒に努力することで、ひとりの人間、女性として成長したいと思って出場を決めたと語る。
古い価値観の中で
Yasukoさんは、本人曰く「閉鎖的で古い価値観」の残る東北地方の市街地で生まれ育った。周囲が考える“幸せな女性像”は「地元国立大学を卒業し、地域の銀行か電力会社に就職、20代前半で経済力のある男性と出会い寿退社、専業主婦となって子供を産み育てる」といったものだった。
「つまり、一生その土地で、裕福な夫に寄り添って妻、母として生きろということ。いまの私はどの要素も満たせていませんが(笑)、いまの自分は周りの人々に恵まれて、幸せな人生を送っています」
実家は自営業。7歳上の兄は家を継ぐ長男として大切に育てられ、やりたいことは何でもやらせてもらっていた。Yasukoさんはそんな兄が大好きだった。病気で松葉杖をついていた兄がからかわれれば、年上の男の子たちを相手に掴み掛かり、兄を守った。
両親は仕事が忙しかったが、母はいつもYasukoさんを「あなたはなんて良い子なの!」と褒めた。コンテストの出場者には、体型を悪く言われたことによるコンプレックスを持つ人も少なくないが、 Yasukoさんは「自分がダメだと思ったことがない」そうだ。
「大人になって、ふくよかな女性から話を聞くと、両親から『醜いから痩せなさい』と言われていたという人も多い。その点で私は恵まれていたと思います」
小学校を卒業すると、私立のカトリックの中高一貫女子校に進学。Yasukoさんはいろいろな局面でリーダー的立場だったそうだ。
「女子校で思春期を過ごしたからこそ、『リーダーは男性が普通』とか『女性は男性のサポートにまわるもの』といった、日本社会でよく耳にする価値観に染まらなかったのかもしれません」
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