トランプ会談は「ホームラン」、支持率は驚異の80%… 「高市現象」の正体とは

国内 政治

  • ブックマーク

日韓関係を和らげる方向に寄与

 空母でのシーン以外にも、話題となった光景がある。

 日韓首脳会談で李在明大統領(60)と記念撮影を終えた首相が自席へと戻る途中、日の丸のみならず太極旗にも頭を下げたのだ。

 前出のデスクによると、

「韓国国内では、保守的な歴史認識を持つ高市首相への警戒感が強かった。それだけに首相の所作は驚きをもって受け止められました。保守系紙の東亜日報は“礼を尽くした”と指摘。進歩系のハンギョレ新聞も“会談の場で相手国の国旗に頭を下げるのは異例のこと”と肯定的に報じました」

 政治ジャーナリストの青山和弘氏が言う。

「高市首相が太極旗に頭を下げたのは、日の丸に敬意を表するのと同様に、他国の国旗に対しても自然に敬意を示したのだと聞いています。日韓関係の改善を意図した戦略的な行動ではなかったようです」

 だが結果的に、首相の行動は日韓関係を和らげる方向に寄与したようだ。両国がシャトル外交の継続を確認したのもムード改善の表れの一つか。他方、日中首脳会談での首相の振る舞いは、日韓の現場で見せたそれとは異なるものだった。

緊迫した雰囲気で幕を開けたが……

 首相は、初顔合わせとなる習近平国家主席(72)を待機させる形になった。習氏を5秒間直立させ、その元へ歩み寄ったのだ。

「下午好(こんにちは)」

 と、先に声をかけたのも習氏の方だった。

 握手の際に両者の視線はかすかに交わりながらも、次の瞬間には二人とも正面に向き直っている。韓国南東部・慶州のホテルで10月31日に行われた会談は、緊迫した雰囲気で幕を開けた。

 外務省関係者いわく、

「石破茂前首相(68)は初の日中首脳会談で、習氏が差し出した右手を両手で握り返し、中国に対して日本側が下手に出た印象を与えたと批判を集めました。高市首相はその轍を踏まぬように、笑顔を控えるなど細心の注意を払って習氏との会談に臨んだのです」

 両国が戦略的互恵関係の推進を確認すると同時に、日本側は尖閣諸島を含む東シナ海での中国の一方的な海洋進出への深刻な懸念を表明した。拘束中の邦人の早期釈放や日本の農水産物の輸入規制撤廃なども併せて要請したのだが、

「もともと中国側は高市首相を右派と見なして強い警戒感を抱いていました。そのため、習氏は高市首相の就任に際し祝電を送らず、自身に次ぐ序列ナンバー2の李強首相(66)に送らせ、しかもその事実すら公表しなかった。当然、首脳会談も当初は予定されていませんでした」(同)

次ページ:「高市ブーム」

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。