早期解散の甘い誘惑に負けず「自民党の不人気に向き合って」高市首相の衆院選プラン
再登板プランはなし
それでは高市氏はどのように考えているのだろうか。
「憲政史上初の女性首相となってガラスの天井を打ち破った達成感はもちろんありますが、やはり政権を短期で終わらせたくないとの思いが強いのは当然でしょう。ただ、本人は体調のことを気にしており(関連記事:《高市首相「熱いシャワーかお湯につかる」のが朝のルーティン 「このままでは壊れる」の心配の声も》)、年齢を重ねればそれだけ重責を担うことはできなくなるとの自覚が強くあります」(同)
そういった思いがあるなら政権の求心力を高めるため、何らかの大義を掲げて衆院解散に打って出る可能性は小さくないはずだが……。
「確かにそうなんですが……。ここまで高い内閣支持率にもかかわらず、政党支持率は停滞を脱しきれていないし、上昇の目は今のところない。これが決断の足かせになると見ています。先ほど言ったように自民単独過半数の奪還が確実でないなら解散に踏み切る動機としては弱い」(同)
衆参ダブル選挙
それでも解散するとなると、連立を組んでいるであろう日本維新の会はもちろん、国民民主党、公明党あたりとは衆院選後の連立の枠組みについて話し合ったうえで――といったことも取りざたされている。
「選挙前に結果をシミュレートして、枠組みまで考えて、というのはなかなか現実的ではなさそうです。自民党総裁選の任期切れまで2年、衆院議員の任期満了まで3年。解散を衆院議員の任期満了まで引っ張れば、参院とのダブル選挙の可能性が高くなってきます。総裁選を無風か楽勝で切り抜けた後、ダブルの前に小泉進次郎防衛相に禅譲といったシナリオを口にする向きもいるのですが、来年どころか再来年のことなので鬼が笑うどころのレベルではないですね」(同)
長期政権になればなるほど、イメージではなく実績が焦点となっていく。物価高対策などでどれだけ国民の納得感を得ることができるか。
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