「安倍氏の“正統後継者”だとアピール」 高市首相が人事も政策も安倍政権を踏襲する理由とは

国内 政治

  • ブックマーク

【全2回(前編/後編)の前編】 

高支持率で上々の滑り出しを見せた高市早苗首相(64)。外交の場での振る舞いでも前任者よりも高い評価が目立つ。が、一方で今後、悩むことになりそうなのが夫君の言動だ。さらにはあの「キングメーカー」という不安要素もあるのだとか……。
 
 ***

 助走なしに高く跳ばねばならない。トランプ米大統領(79)の6年ぶりの来日に臨む高市首相の心境は、さしずめそんなところだったに違いない。日米首脳会談は10月28日。首班指名からわずか1週間での大舞台だ。

 政治部デスクが言う。

「高市首相は首班に指名される前から秋葉剛男内閣特別顧問(66)と面会を重ねていました。秋葉氏は元外務次官で、在任期間は戦後最長。その後、国家安全保障局長を3年半務め、トランプ氏の性格や思考に通じる人物です。首相は秋葉氏からトランプ対策について事前レクチャーを何度も受けていたのです」

「今井さんのお力で麻生副総裁も抑えてもらえないでしょうか」

 新聞の動静欄を見ても、首班指名の前後に秋葉氏と計4回面会し、首脳会談の前日にも会っていることが確認できる。もっとも首相にはもう一人、水面下で頼っていた大物がいる。

 官邸関係者が明かす。

「高市首相は人事に際し、安倍政権で一貫して首相秘書官筆頭格の政務担当だった今井尚哉(たかや)氏(67)に、同じく政務秘書官のポストを提示しました。首相自ら今井氏の元を訪ねて“トランプ大統領とどう向き合えばいいか、ぜひ知恵を貸していただきたい”と頭を下げたと聞きます」

 今井氏は民間シンクタンク「キヤノングローバル戦略研究所」と契約関係にあることを理由に、官邸常駐となる秘書官の職は固辞したというが、

「高市首相は“今井さんの言うことはすべて聞きます。今井さんのお力で麻生太郎副総裁(85)も抑えてもらえないでしょうか”とも口説いたそうです」(同)

 高市自民党総裁誕生の立役者となった麻生氏を御してほしい。安倍氏と盟友関係にあった麻生氏をよく知る今井氏なら、できない仕事ではないはずだ。高市首相はそう考えたのだろう。

次ページ:何より先に「アベ」の名を持ち出し……

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。